自動車の相続税評価方法は3つある
自動車の相続税評価方法は、簡単に言ってしまえば、業者にいくらで売れるかです。
被相続人の死亡日(相続開始時点)において、お金に直したらどのくらいの価値があるのか?
この金額が自動車の相続税評価額となります。
そして、車の種類などにより、自動車の相続税評価方法(相続税評価額)は、以下の3つに分かれます。
- 売買実例価額
- 精通者意見価格(せいつうしゃいけんかかく)
- 減価償却相当額を控除した額
一般的な車の場合
- 車種
- 年式
- 事故歴
- 走行距離
などをもとに、中古車取扱店サイトなどで、同じようなの車の価格を調べます。
そして、このような価格を売買実例価額といいます。

自動車の相続税評価方法は売買実例価額が基本
自動車の相続税評価方法は、この売買実例価額を参考にしますが、この中古車取扱店サイトで表示されている価格には、同社の利益が上乗せされています。
車を相続して換金する時に、この利益まで含めて換金することは通常考えられません。
なので、この利益を除いた部分の価格が相続税評価額になります。
高級車や一般的な車でない場合
中古車取扱店サイトなどで取り扱いがないような高級車などの場合には、精通者意見価格で評価します。
精通者意見価格とは、専門的な方が査定した金額のことです。
売買実例価額ない場合などに用いられます。
自動車の場合であれば、買い取り業者などに上記と同じように、車種・年式・事故歴・走行距離などを伝えて査定してもらいます。
この査定してもらった金額を「精通者意見価格」といいます。

売買実例価額が不明な高級車などは、精通者意見価格で評価します。
売買実例価額、精通者意見価格等が不明な場合
自動車の相続税評価は、売買実例価額や精通者意見価格と言いましたが、簡単に言ってしまえば、業者への売却価格(業者から見た場合は買取価格)です。
ちなみに、業者への売却価格は被相続人(故人)が亡くなった日(相続開始の日)に、仮に売却したらの価格です。
相続開始から半年経ったら、相続した自動車が人気車種になっていた。
半年前より10万円も価格が高くなっている。
安心してください。
このような場合でも、半年前の相続開始日時点に、仮に業者に売却した時の価格が相続税評価額となります。
なので、遺産分割協議中や相続税対策の打合せをしている時点での価格でもありません。
ただ、もしも業者への売却価格が不明の場合には、
「相続開始時の新品価額から減価償却相当額を控除した額を相続税評価額」
にすることも出来ます。
ただし、業者への売却価格が不明ということは、相続した自動車は既に流通していない可能性が高いです。
そのような流通していない可能性が高い自動車は
- 全く価値がない
- 希少価値が高い
のどちらかになっている可能性が高いです。
希少価値が高い場合には、相続開始時の新品価額から減価償却相当額を控除した額を相続税評価額にすることは、税務署から(財産評価額が低くないか?と)指摘される可能性はあります。

希少価値が高い自動車で、減価償却相当額を控除した額を相続税評価額にしている場合、財産評価額が低くないかと指摘される可能性も・・
売買実例価額や精通者意見価格が不明ということはほとんどないとは思いますが、もしも値段が付けられないような、希少価値のある車を相続した場合には注意しましょう。
動画で解説
自動車の相続税評価方法について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。
動画内容
自動車の相続税評価方法は、原則、相続開始日の売買実例価額で評価します。
骨とう品の評価について、お話をさせて頂いた時も「売買実例価額」を用いて評価すると申しましたが、今回も同様です。
端的に申しますと、業者の買取価格のことになります。
これは、中古車取扱店サイトなどを参考にします。
また、中古車取扱店サイトで取扱いがない高級車などの場合は、精通者意見価格で評価をします。
こちらも骨とう品の時と同様に専門家が査定した金額のことです。
さらに、「売買実例価額」や「精通者意見価格」が不明の場合には、相続開始時点の新品価額から減価償却相当額を控除した額、これを相続税評価額とすることもできます。