利用価値が著しく低い土地は「10%の評価減ができる」可能性あり
財産評価は税理士で大きく変わってくる場合があります。
それは、相続税の財産評価を「まともに勉強していない税理士」が多数、という現実があるからです。
最大の相続税対策は間違いのない税理士事務所の選定
相続の財産評価方法は、複雑で多岐にわたります。
複雑な土地を複数の税理士が財産評価した場合、「1円単位で同じになる」ということは、まずありません。
財産評価の方法はちゃんと法律で定められているのに、これが実情です。
そして、不勉強な税理士や、年に数回位しか相続税の申告をしていない税理士の場合、評価減が出来るかもしれない場合でも、杓子定規に評価をする場合があります。
評価減が出来るのにしないで申告をするということは、それだけ相続税が高くなるということです。
財産評価は税理士で大きく変わってきます。
例えば、
- がけ地を含む土地
- 地下にトンネルがある
- 文化財が埋まっている土地
- 土地の上に電線(高圧線)が通っている
などは、それぞれ独自の計算方法で、評価減出来る可能性があります。
詳細は以下に記載しています。
- がけ地を含む土地の相続税評価方法【評価減可能】
- トンネルの上の土地の相続税評価方法
- 文化財が埋まっている(埋蔵文化財包蔵地内に該当する)土地の評価
- 土地の上に電線(高圧線)が通っている場合の土地の相続税評価方法
そして、以下は相続に詳しくない税理士が、利用価値が著しく低下している土地として10%の評価減ができる可能性がある、ということを見落としがちな土地となります。
- 近くに墓地がある
- 日当たりが悪い
- 騒音がある
- 高低差がある
- 土砂災害警戒区域等に指定されている
がけ地を含む土地などは分かりやすいので、さすがに見落とす税理士は少ないのですが、近くに墓地がある場合にも評価減できる可能性がある、ということを知らない税理士は少なくありません。
相続税の申告を依頼する場合には、本当にその税理士事務所でいいのか?
相続税対策は相続に強い税理士事務所に依頼できるかどうかにかかっています。
そして、以下のような税理士事務所には注意が必要です。
- 税金(相続税)を0円にすることを謳い文句にしている
- 法人などのお客がいなくて、相続専門と謳っている事務所
1の税金(相続税)を0円にするということは、被相続人が生前にしっかりと相続税対策を考えていれば、ほとんどの税理士なら可能です。
税金を0円にすることが、さも難しく、そのノウハウを提供します、と謳っているような事務所には要注意です。
そして、税金を0円にすることだけが、そもそも相続税対策ではありません。
借金まみれにして税金を0円にしても、その後の生活が借金苦になっては、何の意味もありません。
また2ですが、本当に相続に詳しくて専門と謳っているなら問題はないのですが、法人などのお客がいなくて(法人相手のノウハウがなくて)、今後の市場規模を考えて、相続専門と謳っているだけの事務所もあります。
相続税の基礎控除額が下げられたことや、法人数の減少に伴い、にわか相続専門の事務所が増えています。
相続は一生に一回、もしくは二回位です。
最大の相続税対策は間違いのない税理士事務所の選定です。
慎重に検討しましょう。
土地の評価にはグレーゾーンがある
先ほど、利用価値が著しく低下している土地として、以下のものは10%の評価減ができる可能性があると記載しました。
(下に詳しい内容を記載しています。)
- 近くに墓地がある
(近くに墓地がある場合の土地の相続税評価方法) - 日当たりが悪い
(日当たりの悪い土地の相続税評価方法) - 騒音がある
(騒音のある土地の相続税評価方法) - 高低差がある
(高低差のある土地の相続税評価方法) - 土砂災害警戒区域等に指定されている
(土砂災害警戒区域等に指定されている土地の相続税評価方法)
そして例えば、高低差と日当たりが悪いなど、複数の減額が要因があれば、20%(10%+10%)の減額が可能であったりします。
また、上記以外にも、
- 地盤がデコボコ
- 震動がひどい
- 臭気がひどい
- 忌み(死亡事件等があった)
などによっても、10%の減額が可能であったりします。
ただし、共通して言えることですが、既に路線価に利用価値の低下が反映されている場合には、10%相当額の減額は出来ません。
また、明らかに使い勝手が悪い土地や、鉄道が近くに通っていて騒音がある土地、ガソリンスタンドやゴミ処理場が付近にあって臭いが気になる場合等には、分かりやすくていいのですが、微妙な場合もあります。
これらは公図や登記簿から判断できないため、土地の状況や周囲の環境を現地調査する必要があります。
そして減額を適用するためには、近隣の宅地に比べて著しく利用価値が低下していると、説明できる必要があります。
この減額の適用は、税理士の経験によって(適用すべきか・すべきでないか)異なってきます。
土地の評価には、このようなグレーゾーンがあります。
こういったことからも、経験豊富な税理士事務所に相続税対策や申告をお願いするのがベストと言えます。
動画で解説
相続財産の寄附について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。