相続や贈与を考えると【へそくり】というものは存在しない?

なぜ、へそくりが相続財産になるのか?
へそくりを相続財産とさせないためには?
について解説しています。

へそくりが、なぜ相続財産になるのか?

夫の給与で生活費をやりくりし、毎月少しずつ預金を・・。いわゆる、へそくりです。

このへそくり。実は相続税の観点から見た場合、妻固有の財産として認められない可能性が高いです。

へそくり
へそくり
へそくりは相続税の観点から見た場合、妻固有の財産として認められない可能性が高いです。

夫が亡くなった際に、夫の財産として相続税の対象になるということです。

そして、夫が稼いだ生活費を節約して貯めたへそくりを貯めるのみで一切使用していないと、夫の財産(名義預金)としてみなされる可能性がさらに高まります。

へそくりではなく、妻固有の財産であると認められるものは以下のようなものです。

  • 結婚持参金
  • 妻の公的年金等
  • 妻が相続した妻の両親等の遺産
  • 妻自身が資産運用で稼いだお金
  • 結婚後の給与など、妻自身が稼いだもの

へそくりが誰の財産になるのかの判定は、

  1. 資金の原資は誰が稼いできたものなのか?
  2. そのお金を自由に使える権限は誰にあるのか?

で判断されます。妻の場合、自身で稼いだものではない、自由に使える権限がないなどの理由により、夫の財産と認定される可能性が高いということです。

へそくりを相続財産にしないためには

基本的に専業主婦の場合、相続や贈与以外で自分の財産を持つことが出来ないという税務上の考え方があります。(実際には分かりませんが)

財産を持つことが出来ない
財産を持つことが出来ない
専業主婦の場合には、相続や贈与以外で自分の財産を持つことが出来ないという税務上の考え方があります。

そして、たとえ夫婦共有の家計だとしても、相続税の観点からは、

  1. 夫の財産なのか
  2. 妻の財産なのか

を明確に分ける必要があります。そして、へそくりが妻固有の財産と証明するためには、

  • 夫から妻への生前贈与であることを立証する贈与契約書
  • そのお金を妻が自由に使えるように管理運用していた事実

の2つが必要です。1の贈与契約書がある時点で、もはやへそくりではなくなっている気もしますが、夫婦間であろうと贈与契約書が必要になります。

そして、その貯めた妻名義の預金を使わないと、名義預金とみなされる可能性も高くなります。

さらに、その資金の使い方が、夫に頼まれたものを購入したり、生活費の一部として使っている場合には、実質的に夫がその資金を支配しており、妻は単に管理しているだけとなります。

管理しているだけ
管理しているだけ
夫に頼まれたものを購入したり、生活費の一部として使っている場合には、妻固有の財産ではなく単に管理をしているだけ

このような場合にも名義預金とみなされて、夫の相続財産とみなされる可能性が高いです。

へそくりがある場合、相続人自身がへそくりを相続財産と思っていないことや、相談する税理士等にへそくりがあること自体を伝えないことも多く、税務調査で指摘されやすい事項でもあります。

指摘
指摘
へそくりは税務調査で指摘されやすい事項

税務調査の際には、被相続人の通帳の動きはもちろん、相続人の通帳もチェックされます。そして、へそくりが発覚した場合には、修正申告をすることになります。

相続税対策の観点からは、へそくりは相続財産になると踏んでおきましょう。それが嫌な場合は、夫婦間でも贈与契約書を作成しましょう。

へそくりは「夫の相続財産になる」と踏んでおく

へそくりと相続の関係について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。

へそくりが相続税の対象になる?

動画内容

皆さん、こんにちは

税理士法人・都心綜合会計事務所、(税理士の)田中でございます。

今回は、へそくりは相続財産になる確率が高い、ということをお話し致します。

専業主婦の方などで、夫の収入をへそくりとして、貯めている方は少なくないと思います。

子供の学費、夫婦の老後の資金などの目的は、おそらく家族のためのものでしょう。

夫に預けていたら浪費の危険がある。

主婦の鑑ともいえる行動と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、相続では、そのへそくりが夫と妻のどちらの財産かを、はっきり分けて考えなければなりません。

そして、夫の収入から貯めたへそくりは、夫の財産とみなされる可能性が高いです。

へそくりがどちらの財産なのか、判定のポイントになるのは、そのへそくりの原資が何か、そして、そのお金を自由に使える権限は誰にあるのか、ということです。

へそくりが夫の財産とみなされる典型的なパターンは、夫が稼いできたお金を、単に妻が管理していただけ、と判断されてしまうケースです。

では一体どうすれば、へそくりを夫の財産ではなく、妻の財産としてみてもらえるのでしょうか?

まずは、そのへそくりを夫から妻への贈与とすること、そして、そのお金を妻が自由に使えるように、管理していること、この両方が重要になります。

まず、夫から妻への贈与とすることについてですが、これは夫婦間で贈与契約を交わす必要があります。

たとえ夫婦でも、贈与契約書という書類を作って、証拠を残すことがポイントです。

贈与とする時点で、へそくりではなくなっている気もしますが、相続対策をしっかり行うのであれば、背に腹は変えられません。

続いて、妻が自由に使えるように管理することについてですが、これは貯めたお金を、妻が自由に使っている状況が必要です。

自由に使っているといっても、その使いみちが、夫に頼まれたものを購入したり、生活費の一部として使っているだけであれば、これは妻が自由に使っているとはいえません。

夫が妻に頼んで、財産を管理してもらっているだけのような扱いとなります。

ちなみに相続税の税務調査では、夫婦間のお金の動きは、夫側、妻側の両方からチェックされます。

もし、へそくりが発覚して、それが夫の相続財産だとされてしまった時には、残念ながら、そのへそくりは、全額申告し直さなくてはなりません。

今回の話をまとめると、相続対策の観点からいえば、へそくりを貯めるのではなく、贈与してもらったものとし、さらにそのお金を自分の財産として、使用している状況を示すことが重要です。

あくまで相続対策の話ですから、へそくりとして貯め続けることを、否定するつもりはありません。

ただし、その場合は、夫の相続財産になると踏んでおきましょう。

へそくりを貯めている専業主婦の方は、ぜひこれからの参考にしてください。

そして、相続税対策や相続手続き、相続税の申告のことなら、税理士法人・都心綜合会計事務所にお任せ下さい。