保険金の受取人が被相続人の場合は相続財産

事故などの損害賠償や、会社が被相続人に掛けていた団体保険が、どういった場合に相続財産になるのか、について解説しています。

生命保険以外にも損害賠償金や団体保険がある

保険は契約により受取人が異なります。そして、契約内容によって、相続財産になる・ならない、と分れてきます。

保険
保険
保険は契約内容によって、相続財産になる・ならない、と分れます。

例えば、生命保険で保険金の受取人が被相続人の場合は相続財産となりますが、ある特定の相続人が保険金の受取人の場合は、厳密には相続財産ではありません。

これは被相続人が保険契約者でなくても同じです。

シンプルに保険金の受取人が被相続人の場合は、その保険は相続財産といえます。

そして、相続財産になるということは、遺産分割の対象となります。

ちなみに保険金の受取人が、ある特定の人物ではなく、単に相続人となっている場合でも、厳密には相続財産ではなく、相続人である個人の権利の取得となります。

なので、この場合は包括受遺者(包括遺贈で財産を受ける者、詳しくは包括遺贈に記載)は、その保険金を請求することは出来ません。

そして、相続で保険といえば生命保険が代表格ですが、その他に以下のようなものも相続財産に該当したりします。

  • 損害賠償金
  • 団体保険

事故などの損害賠償

例えば交通事故で被相続人が死亡し、加害者の保険会社に損害賠償の請求をしたとします。

この場合、その損害賠償の請求の内容によって、相続財産になるのか・ならないのか?分かれます。

交通事故での損害賠償
交通事故での損害賠償
損害賠償の請求の内容しだいで、相続財産になる・ならない、と分れます。

請求の内容が慰謝料請求などであれば、一般的には相続財産となります。

請求の内容が、例えば被相続人の車の修理代などの場合には、相続財産ではありません。

会社が被相続人に掛けていた団体保険(生命保険など)

これも一概には言えません。保険の内容しだいで相続財産になるのか・ならないのか?分かれます。

例えば、被保険者の同意のもとで、会社のために保険に入っている場合には、相続財産ではありません。

ただ、その保険を被相続人の権利と考えて、保険会社や、保険金を受取った会社に対して、相続人が請求できるという考え方もあります。

どちらにせよ、相続税対策や相続税申告においては、会社の団体保険の内容を精査する必要があります。

動画で解説

保険会社から支払われる保険金が「どのような場合に相続財産になるのか」ということについて、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。

事故の損害賠償金は相続財産?

動画内容

具体例として、事故死によって支払われる損害賠償金や、会社の団体保険から支払われる保険金についてを解説いたします。

まず、保険金が相続財産になるかどうか、入り口となる一般的な考えからお話しを致します。

人が亡くなったことによって、支払われる保険金には、生命保険金や事故死による損害賠償保険金がございます。

これらの保険金は、受取人によって、相続財産になる場合とならない場合があります。

まず、保険金が相続財産になるのは、その保険金が亡くなった人を受取人とする場合です。

生命保険の受取人が本人というのもおかしな感じがしますが、契約上はこのような内容も認められます。

これに対して、受取人が家族の場合、支払われた保険金は相続財産にはなりません。

なぜなら、その保険金は、受け取ったご家族自身の財産となるからです。

両者の違いによって、誰かに何か影響があるのかというと、相続人の遺産分割協議に影響を及ぼします。

相続財産である保険金であれば、相続人同士の遺産分割協議によって分けることができますが、相続財産にならない保険金は、遺産分割の対象に原則なりません。

そのまま、受け取った人の財産となります。

それでは、事故死による損害賠償金と、会社の団体生命保険から支払われた生命保険金で考えてみます。

この2つには、それぞれ注意点がございます。

まず、事故死による損害賠償金ですが、これは相続財産にあたるものだとしても、保険金の中身をよく見なくてはなりません。

もし保険金の中身が、死亡に対して支払われる慰謝料であれば、相続財産となります。

これに対して、車の修理代などとして支払われる保険金の場合は、相続財産になりません。

続いて会社の団体保険から支払われる生命保険金ですが、これは内容で解釈が分かれます。

たとえば、亡くなった人が会社のために加入した保険であれば、相続財産にはなりません。

しかし、保険の内容によっては、この保険を亡くなった人の権利と考えて、相続財産と考えることもあり得ます。