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所在不明株主とは?該当すればその株式は相続財産

所在不明株主とは、会社からの郵便物が5年以上届かず、配当金も5年以上受け取っていない株主のことです。

「うちの親は株なんてやっていないから関係ない」と思われるかもしれません。

しかし、亡くなった方(被相続人)が、ご家族の知らないうちに所在不明株主になっているケースは意外と多く存在します。

たとえば、認知症などで手続きができていなかったり、引っ越し後に住所変更を忘れていたりする場合です。

「株取引をしていたはずなのに、最近の証券会社からの資料が全く見当たらない」というケースも要注意です。

もし被相続人が所在不明株主に該当していた場合、その株式や売却代金を受け取る権利は「相続財産」になります。

相続税の申告漏れを防ぐためにも、所在不明株主になっていないか確認することは非常に大切です。

株式売却代金請求権も相続財産

会社側は、所在不明株主に対して一定の手続きを行った後、その株式を強制的に売却することができます。

売却されてしまうと、株主としての権利は失われてしまいます。

ただし、売却から10年以内であれば、会社に対してその売却代金を支払うよう請求することが可能です。

これを「株式売却代金請求権」と呼びます。

手元に残っている株式だけでなく、この株式売却代金請求権も立派な相続財産となります。

なお、実務上は会社ではなく、売却代金が法務局に供託(きょうたく)されているケースもあります。

株式の存在が確認できたら、次は相続税の申告に向けてその株式の評価額を計算する必要があります。

上場株式の評価方法は、亡くなった日の株価以外にも選べる有利な基準があります。

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被相続人が所在不明株主に該当するかの確認方法

被相続人がどの会社の銘柄を持っていたか分からない場合は、まず「証券保管振替機構(ほふり)」へ開示請求を行うのが確実です。

ほふりに開示請求を行うことで、どこの証券会社や信託銀行に口座があるのかを調べることができます。

開示請求には、1件あたり税込6,050円の基本手数料がかかります。

ただし、戸籍謄本の代わりに「法定相続情報一覧図の写し」を提出すると、手数料が税込4,950円に割引されるためお得です。

所在不明株主の株式は、信託銀行に開設された「特別口座」で管理されているケースが非常に多いです。

これは2009年の株券電子化の際に、証券会社に預けられていなかった昔の紙の株券などが、自動的にこの特別口座に移されたためです。

遺品整理の際は、信託銀行から届いている「特別口座」と書かれた郵便物がないか探してみてください。

手がかりがなくても、ほふりへ開示請求を行えば、どこの信託銀行の特別口座で管理されているかが判明します。

信託銀行(株主名簿管理人)が分かったら、所定の様式で「所在不明株主に該当するかどうかの調査」を依頼します。

調査依頼には、主に以下の書類が必要になります。

  • 被相続人の死亡の事実が分かる戸籍謄本
  • 相続人代表の戸籍謄本(被相続人との関係が分かるもの)
  • 相続人代表の印鑑証明書
  • 代理人の印鑑証明書(代理人の場合)
  • 相続人代表からの委任状(代理人の場合)

戸籍謄本の代わりに「法定相続情報一覧図の写し」を利用できる信託銀行も増えています。

提出した書類の原本は、確認後に返却してもらえます。

無事に株式が見つかった場合、特別口座のままでは売却できません。

まずは相続人自身の「特定口座(源泉徴収あり)」などの証券口座へ株式を移管する手続きが必要になります。

一般口座へ移管してしまうと、後日ご自身で譲渡益を計算して確定申告を行う手間が発生するため注意しましょう。

ご自身で調べるのが難しい場合は、一般社団法人所在不明株主支援機構などの専門サービスを利用するのも一つの方法です。

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動画で解説

所在不明株主について、税理士法人 都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴いただけます。

被相続人が所在不明株主に該当していないかの確認方法

動画内容

みなさんは所在不明株主という言葉をご存じでしょうか。

もし亡くなられた方が所在不明株主にあたる場合、相続財産を正しく把握するための調査を行う必要があります。

今回は所在不明株主とはどういった人をいうのか、それが相続にどう影響するのか、どうやって調査すればよいのかを解説いたします。

所在不明株主とは簡単に言うと、会社から連絡がとれなくなった株主のことです。

株主名簿に記録されている住所に送った通知書や催告が5年以上継続して届いていない株主で、配当金も5年以上継続して受け取っていないなどの状況があると、所在不明株主として扱われるようになります。

この状態で放置すると、所在不明株主がもっている株式は売却されることが一般的です。

しかし、売却後10年以内であれば、株式の売却代金を会社に請求することができます。

この請求権のことを株式売却代金請求権といいます。

では、所在不明株主や株式売却代金請求権といった話が相続とどう関係するのか、これからご説明いたします。

個人でお持ちの株式や請求可能な株式売却代金請求権は相続財産となります。

そのため、もし亡くなられた方が所在不明株主で売却前の株式がどこかに保管されているのなら、それを調べなければなりません。

株式売却代金請求権がある場合も同じです。

こうした財産を見落としたまま遺産分割をしたり、相続税を申告したりすると、後から財産が出てきたときに再度、遺産分割を行う羽目になったり、相続税の修正申告をしなければならなくなったりします。

ところで、なぜ所在不明株主になってしまう人が出てくるのでしょうか。

理由はさまざまです。

住所を移してそのまま放置してしまったというケースが一般的と思いますが、中には、亡くなられた方がご病気や高齢のため判断能力が低下してしまい、株式に関係する手続きが適正にできていないことも考えられます。

また、亡くなられたときは所在不明株主ではなかったとしても、相続人が財産を調査しきれなかったことによって、後に所在不明株主になることもあり得ます。

もし、亡くなられた方の遺品を整理しているとき「株取引をしていたはずなのに株関連の資料が全然ない」というときは、所在不明株主になってしまっている可能性があることも視野に財産を調査しましょう。

それでは最後に亡くなられた方が所在不明株主かどうかを確認する方法についてお話をいたします。

株主の情報は所有している株式の発行会社の株主名簿管理人によって管理されています。

ほとんどの場合は信託銀行が会社から委託を受けて株主名簿管理人をやっています。

銘柄に見当がついているときは「会社名 株主名簿管理人」などで検索をすると、どこの信託銀行が株主名簿管理人をやっているのか調べることができます。

信託銀行がわかれば、ご家族が所在不明株主にあたるかどうかを、信託銀行に問い合わせて調べてもらうことが可能です。

調べてもらうときの一般的な流れとしては、まず信託銀行に連絡をして、銀行が指定する様式で調査を依頼し、後日回答をもらうようになります。

調査を依頼するときは株主の相続人であることがわかるように

  • 被相続人の死亡の事実が分かる戸籍謄本
  • 相続人代表の戸籍謄本など、亡くなられた株主との関係が分かるもの
  • 相続人代表の印鑑証明書

などの書類も必要になります。

他にも所在不明株主のサポートを専門とする団体に「一般社団法人所在不明株主支援機構」があります。

こちらに問い合わせてみるのもいいでしょう。

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