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被相続人の最後の住所を証明する書類とは

相続税の申告先(管轄の税務署)や、相続放棄の申立て先(管轄の家庭裁判所)を決める際など、相続のさまざまな場面で「亡くなった時点での住所」を証明する必要があります。

被相続人の最後の住所を証する公的な書類として、以下の2つが代表的です。

  1. 住民票の除票(じゅうみんひょうのじょひょう)
  2. 戸籍の附票(こせきのふひょう)

よくある勘違いですが、通常の「戸籍(戸籍謄本)」には住所が記載されていません。また、亡くなった方の場合は単なる「住民票」ではなく、死亡によって抹消された「住民票の除票」が必要になります。

住民票の除票とは

住民票の除票とは、引っ越し(転出)や死亡などによって住民基本台帳から除かれた(抹消された)住民票のことです。

相続手続きで取得する場合は、被相続人の「死亡」を原因として除かれたものを指します。ここには、亡くなった時点での最後の住所と、その1つ前の住所が記載されています。

戸籍の附票とは

戸籍の附票とは、本籍地の役所で戸籍と一緒に管理されている「住所の履歴」が記録された書類です。

前述の通り、戸籍自体には住所の記載がありません。そのため、戸籍に記載されている人物と住所の繋がりを証明するために、この戸籍の附票が作られています。

住民票の除票との主な違いは以下の通りです。

  1. 複数の住所履歴が載っている(住民票の除票は、基本的に最後の住所と前住所のみ)
  2. 住所地の役所ではなく、「本籍地の役所」で発行してもらう

※注意:2024年(令和6年)3月から「戸籍謄本」は最寄りの役所で全国どこのものでも取れるようになりましたが(広域交付制度)、「戸籍の附票」はこの制度の対象外です。これまで通り、必ず本籍地の役所へ請求する必要があります。

【重要】戸籍の附票を取得する際の注意点
令和4年(2022年)1月の法改正により、戸籍の附票は原則として「本籍・筆頭者」の記載が省略されるようになりました。相続手続きでは本籍地との繋がりを証明する必要があるため、役所の窓口や郵送請求の際には、必ず「本籍・筆頭者の記載あり」を指定して取得してください。

戸籍の取得方法については、被相続人の戸籍を一括で取得する方法と注意点に記載しています。

住民票の除票の取得方法

住民票の除票は、亡くなった方の「最後の住所地」を管轄する市区町村役場(住民課や市民課など)で取得します。

住民票の除票はプライバシー保護の観点から、たとえ亡くなるまで同居していたご家族(同じ世帯)であっても、請求時には「相続手続きのため(〇〇銀行へ提出)」といった正当な理由を申請書に記入する必要があります。さらに、別世帯の相続人が請求する場合は、関係性を証明するために以下の書類が求められます。

  1. 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本等
  2. 窓口に来た人が相続人であることが分かる戸籍謄本等
  3. 窓口に来た人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)

※近年は押印廃止の流れにより、窓口での請求時に「認印」は不要となっている自治体がほとんどです(申請書への署名のみで完結します)。

【重要】除票を取得する際の2つのポイント

  • 本籍地・筆頭者の記載を「あり」にする
    その後の手続きで必要となる「被相続人の戸籍集め」が非常にスムーズになります。
  • マイナンバー(個人番号)は「記載なし(省略)」にする
    マイナンバーが記載されていると、厳格な取り扱い規定により、銀行などの金融機関や法務局などで書類の受け取りを拒否されるケースが頻発しています。必ず「記載なし」を選んでください。

遠方にお住まいの場合は、郵送で除票を取得することも可能です。郵送請求の一般的な必要書類は以下の通りですが、自治体により細かなルールが異なるため事前にホームページ等で確認しましょう。

  1. 定額小為替(役所への手数料)
  2. 取得者宛の返信用封筒(切手貼付)
  3. 取得者の本人確認書類のコピー
  4. 必要事項を記載した交付請求書
  5. 相続人であることを証明する戸籍謄本等のコピー(別世帯の場合)
  6. 被相続人の死亡の事実を証する戸籍謄本等のコピー(別世帯の場合)

住民票の除票や戸籍の附票が発行されない場合(保存期間について)

「古い除票や附票は廃棄されて取れないのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。

以前は法律による除票や戸籍の附票の保存期間が「5年」と短かったため、手続きが遅れると廃棄されてしまうケースがありました。しかし、令和元年(2019年)6月20日の法改正により、現在の保存期間は「150年」に延長されています。そのため、最近亡くなった方のご相続であれば、すでに廃棄されている心配は基本的にありません。

ただし、法改正前の平成26年(2014年)6月頃より前に亡くなっている場合は、役所で廃棄されてしまっている可能性があります。その場合は、役所で廃棄証明書を発行してもらい、それを除票の代わりとして相続手続き等を進めることになります。

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故人の最後の住所を把握する方法を動画で解説

相続があったとき、亡くなった人の最後の住所を把握するために必要となる「戸籍の附票」や「住民票の除票」について、税理士法人 都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴いただけます。

故人の最後の住所を把握する方法

動画内容

そもそもなぜ相続があったとき、亡くなった人の最後の住所を把握する必要があるのかというと、相続の手続きで関係してくるからです。

たとえば相続税の申告をするとき、全国どこの税務署でもできるわけではありません。

受付をしてくれるのは、亡くなった人の最後の住所地を管轄する税務署となります。

ほかにも相続放棄をしたいというときは、亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立を行います。

このように公的な機関には管轄というものがあります。

そのため、こうした手続きを進めるために、亡くなった人の最後の住所が確認できる書類が必要となります。

そして、その書類が「戸籍の附票」や「住民票の除票」といったものになります。

まず「戸籍の附票」についてお話しいたします。

「戸籍の附票」とは、戸籍に住民票の住所がくっついたものとお考えください。

意外なのですが、戸籍には住所の情報がありません。

そのため住所を把握する必要があるときは、戸籍の附票を戸籍謄本とは別に発行してもらう必要があるのです。

「戸籍の附票」を発行できるのは、本籍地のある役所になります。

続いて「住民票の除票」についてお話しいたします。

「住民票の除票」とは、もともとは「住民票」だったものが、その人が死亡したことによって住民票から除かれるということで、そういった呼び方に変わったものです。

これを発行できるのは、その住所がある役所となります。

住民課や住民記録係といった部署で受け付けてくれることが多いです。

発行してもらえるのは、基本的にはご家族になります。

同じ世帯に入っていた家族であれば、発行はスムーズです。

別の世帯に入っている方の場合は「相続のために必要になりました」という事情がわかるようにしなければなりません。

そのため、亡くなった人の相続人であることがわかる戸籍謄本などを用意する必要があります。

それから住民票の除票には、任意で本籍地を入れることができます。

本籍地を入れたものを発行してもらうことで、このあと亡くなった人の戸籍謄本を取るときに役立ちます。

ですので、なるべく本籍地も入れてもらいましょう。

最後になりますが、ごくまれに住民票の除票の保存期間が過ぎて廃棄されている、という場合があります。

この場合は廃棄したことがわかる証明書を発行してもらってください。

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