被相続人の死亡後に戸籍は取得する
被相続人の死亡に伴い、戸籍の記載内容が変わります。
その変わった内容の戸籍で、相続手続きを行います。
今回は、そんな戸籍の取得方法について、解説しています。
被相続人の本籍地の役所で戸籍を取得する
戸籍は、被相続人の本籍地の役所で取得します。
大体、戸籍係や戸籍住民課という名前で、戸籍の取得手続きの受付がされています。
被相続人の近くの役所ではなく、あくまでも本籍地の役所で取得しますので注意が必要です。
戸籍取得に必要な資料と費用
戸籍に載っている本人が取得する場合には、本人確認書類(免許証等)が必要です。
本人が載っていない戸籍を取得する場合は、
- 被相続人死亡の記載のある戸籍のコピー
- 自分が相続人にであることが分かる戸籍のコピー
(もしくは自分と被相続人が直系血族であることが分かる戸籍のコピー)
が必要となってきます。
戸籍の費用は、現在戸籍なら1通450円、従前の戸籍(改製原戸籍や除籍)なら1通750円となります。
戸籍を取得出来る人
戸籍は誰でも取得できるわけではありません。
取得できる人は法律で定められています。原則として、取得できる戸籍は、
- 自分
- 配偶者
- 自分の直系血族(親や子供)
の戸籍となります。
郵送で戸籍を取得する際に必要な書類
戸籍の取得方法として、直接役所に赴かずに、郵送で取得することも出来ます。
郵送で戸籍を取得する場合、以下の資料等が必要等となります。
- 定額小為替
(現金の代わりに同封する) - 取得請求用紙
(必要事項を記載する、各役所のホームページからダウンロードも可能) - 請求者宛の返信用封筒
(切手を貼る) - 請求者の本人確認書類のコピー
(免許証などのコピー) - 被相続人死亡の記載のある戸籍のコピー
- 自分が相続人にであることが分かる戸籍のコピー
(もしくは自分と被相続人が直系血族であることが分かる戸籍のコピー)
ちなみに、役所で取得できる戸籍が1通とは限りません。
なので、定額小為替は多めに同封します。お釣りは通常、返却してくれます。
(定額小為替とは、現金の代わりに同封するものです。郵便で現金を送ることは出来ないので、代わりに取得手数料に相当する定額小為替を送ります。定額小為替は郵便局で購入出来ます。)
従前の戸籍を取得する
被相続人の戸籍は、死亡時の戸籍だけでは不十分です。
死亡時から遡って、従前の戸籍をとる必要があります。
基本的に従前の戸籍でも、取得方法は上記に記載した方法と変わりません。ただし、請求先は本籍地ではなく、その従前の戸籍を保管している役所となります。
注意点として、従前の戸籍は滅失していることもあり、取得できない場合があります。
滅失?そんなバカな?と思うかもしれませんが、震災などにより当時の戸籍が滅失している場合というのはあります。
そのような場合には、除籍等の謄本を交付することができない旨の証明書を代わりに発行してもらいましょう。
戸籍の代わりの書類となります。
従前の戸籍を管理しているはずの役所が見つからない場合
市町村合併などにより、従前の戸籍を保管しているはずの役所が見つからない場合があります。
では、そこで保管していた戸籍はもうないのか?
そんなことはなく、合併した役所や行政機能を引き継いだ役所が保管しています。
昔あったはずの役所がなくなっている。
そのような場合には、行政機能を引き継いだと思われる役所などに確認しましょう。
動画で解説
故人の戸籍の取得方法について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。
動画内容
相続が発生したとき、亡くなった人の法定相続人を調べる必要があります。
それをしないと、銀行、法務局、税務署といった機関で行うさまざまな手続きができません。
そして、法定相続人を調べるために必要なのが、役所で保管している戸籍です。
わたしたちはこの戸籍の謄本、今は全部事項証明書といいますが、役所に請求して交付をしてもらいます。
交付の受付けをしているのは、大体、戸籍係や戸籍住民課といった部署になります。
ただし、どこの役所でも戸籍謄本を交付してくれるわけではありません。
その戸籍の本籍地を管轄する役所にお願いする必要があります。
相続で必要になる戸籍謄本は、亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本です。
そのため人によっては、いくつもの役所に戸籍謄本を請求することになります。
ただ、役所に直接出向く必要はなく、郵送でも交付してもらえます。
郵送のときは必要な書類を同封して送り、戸籍謄本を返送してもらいます。
同封するものは、手数料代わりとなる定額小為替や、戸籍謄本を請求するための専用の用紙、戸籍謄本を送ってもらうための返信用封筒、請求する人の免許証などの本人確認書類のコピーのほか、被相続人死亡の記載のある戸籍のコピーや自分が相続人であることが分かる戸籍のコピーも求められます。
請求先の役所のホームページで必要書類を確認しましょう。
戸籍謄本を請求できるのは、その配偶者や亡くなった人の直系血族、つまり子や親、その代理人が原則です。
それ以外でも、一定の理由があることが確認できれば交付をしてもらえます。
さて、相続で大変なのは、亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を集めることにあります。
死亡時の戸籍だけでは不十分で、死亡のときから遡って、従前の戸籍をとる必要があります。
そうすると時々、前の戸籍が消滅している場合があります。
理由は震災などさまざまです。
そのような場合には、除籍等の戸籍を交付することができない旨の証明書を発行してもらいましょう。
戸籍謄本の代わりとなります。
それから、ときどき市町村合併などで昔あった役所がなくなっている、ということもあります。
この場合の戸籍は、行政機能を引き継いだ役所に保管されていますので、合併後の市役所などに確認をしてみましょう。