なぜ相続人を確認する必要があるのか?

遺産分割協議の成立には、相続人全員の同意が必要です。

よって、戸籍上判明している相続人を除外した遺産分割協議は無効となります。

そのため相続手続きでは、まず相続人が誰かについての確認から始める必要があります。

そして客観的な資料で、相続人であることを証明する必要があります。

  • 相続人が子供だけで間違いない
  • 遺言書が残されている

このような場合でも相続人の確認は必要ですか?とよく聞かれます。

答えは必要となります。

理由としては、相続税の申告においては、法定相続人(相続の放棄を含む)の数によって基礎控除額を求める必要があり、被相続人の法定相続人を確認する必要があります。

そのため遺言書が残されていた場合であっても同じです。

確認方法としては、被相続人の生まれた時から亡くなる時までの戸籍謄本を集めて確認します。

そして、被相続人の出生から死亡時までの連続した戸籍は

  • 相続税の申告作業
  • 登記変更手続き

などでも必要となります。

相続が発生した場合には、相続人の確認から始めましょう。

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行方不明の相続人も無視できない

相続人が行方不明の場合は

  1. その行方不明の関係者の方に失踪宣言をしてもらう
  2. 家庭裁判所で財産管理人を選任する

のどちらかをする必要があります。

上記のことをせず、行方不明の相続人がいる状態で遺産分割をしても無効となります。

遺産分割は相続人全員で行う必要があり、全員の合意が必要だからです。

失踪宣言がされた場合には、その行方不明者の方は死亡したものと扱われます。

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行方不明や失踪していても相続は発生するの?

また、家庭裁判所で財産管理人を選任した場合は、その方が行方不明者の代理人として遺産分割協議などを行います。

相続税対策や遺産分割を考える際には、行方不明者の方を考慮する必要があります。

相続人全員の最新の戸籍(現在戸籍)も必要

相続手続きでは、被相続人の戸籍謄本等以外に相続人全員の最新の戸籍(現在戸籍)も必要です。

必要な理由として、先に死亡している相続人がいた場合に、その相続人の子供がいた時には、代襲相続という制度によってその子が相続人となるからです。

子供と孫、父母や祖父母などの直系尊属もいない場合には、同じく代襲相続という制度によって、その相続人の兄弟姉妹にが相続人となります。

さらに、その兄弟姉妹が亡くなっている場合や、相続の欠格事由(相続放棄は含まれません)に該当しているときは、その兄弟姉妹の子供が相続人となります。

なお、代襲相続の詳しい説明に関しては、代襲相続とは?実例でわかりやすく解説にて記載しております。

本来相続人となるべき人が先に死亡している場合、その先に死亡している相続人の出生から死亡時までの連続した戸籍も必要です。

ただ、被相続人の配偶者は被相続人の戸籍に記載されているので、配偶者の戸籍は不要となります。

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