
土砂災害防止法によって「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に指定されている土地は、建築制限などがかかるため、相続税の評価額を最大30%(条件により最大50%)減額できる可能性があります。
土砂災害から人命や財産を守るために指定されているのが「土砂災害警戒区域」です。この区域は、危険度によって大きく2つに分けられます。
相続税の土地評価において、原則として減額(評価減)の対象になるのは、建築制限などがかかる「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に指定されている部分です。一般的な建築制限がないイエローゾーンは、原則として減額の対象にはなりません。
かつては明確な規定がなく一律10%の減額を行うケースが主流でしたが、平成31年に財産評価のルールが改正され、「土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価」という専用のルールが新設されました。
現在のルールでは、土地全体の面積に対するレッドゾーンの面積割合に応じて、10%〜最大30%の評価減が可能です。さらに、「がけ地補正」が適用できる土地であれば、組み合わせて最大50%まで減額できるケースもあります。
※ただし、土地全体に対してレッドゾーンの面積割合が10%未満の場合は、評価減の対象にはなりません。
レッドゾーンであっても、以下のケースでは二重に評価減をすることはできないため注意が必要です。
相続税対策も大切ですが、何よりも災害に備えることが一番重要です。

近年、集中豪雨などによる土砂災害のニュースが増えています。これらの災害から命や財産を守るため、土砂災害防止法によって「土砂災害警戒区域等」が指定され、注意喚起が行われています。
土砂災害防止法で対象としているのは、主に以下の3つの災害です。
1. 土石流
山腹や川底の石や土砂が、長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象です。土石流のおそれがある渓流(流域面積が5平方キロm以内)などで、一定の勾配を持つ範囲が指定されます。
2. 急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)
地面にしみ込んだ水分によって斜面が突然崩れ落ちる現象です。傾斜度が30度以上で、高さが5m以上の土地が対象となります。

指定範囲の目安は以下の通りです。
3. 地滑り
地下水や重力の影響で、斜面の一部または全部がゆっくりと下方に移動する現象です。地滑りしている区域、またはそのおそれがある区域が対象です。

指定範囲は、地滑り区域の下端から、地滑りする土塊(どかい)の長さに相当する距離(250mを超える場合は250m)の範囲内となります。
これらの中でも、特に建築物に損壊が生じ、住民の生命や身体に著しい危害が生じるおそれがあると認められる区域が「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」として指定されます。