周辺の土地の比べて【騒音のある土地】は10%の評価減が可能

騒音のある土地の相続税評価方法について、解説しています。

個人の主観だけでは評価減できない

近くで鉄道が走っている。

近くに飛行場がある。

そのような土地を相続する場合、10%の評価減が可能かもしれません。

騒音
騒音
騒音のある土地は10%の評価減が可能

ただし、既にその騒音を考慮して、路線価や固定資産税評価額が低くなっている場合には減額出来ません。
(既に減額されているからです。)

では、騒音がある土地は全て評価減出来るのか?

もちろん、そんなことはありません。

そもそも騒音は、かなりの個人差があります。

ある人にとってはうるさく感じても、ある人にとっては、何ともないという場合があります。

騒音で土地の評価額が下がるということは、その騒音のせいで「土地の利用価値が著しく低下」していることを意味します。

これは個人の主観では決められません。

うるさいので評価減しました!は通じません。

評価減出来る、うるさいの基準

何を基準に減額できるのか?

実は相続税法において、完全に決まった規定はありません。

なので、まずは国税不服審判所裁決要旨を参考にしてみます。

裁決事例としては、鉄道沿線の土地について、以下のような理由を根拠に、10%の評価減を認めた事例があります。

  1. 評価計算に採用された路線価が電車走行による振動及び騒音の要因を掛酌して評定されていない
  2. 鉄道沿線から20m範囲内では電車走行による騒音及び振動が環境省の騒音対策における指針である60デシベルを超えている
  3. 同地区に存する分譲地における分譲価額に開差が10%を超える取引事例が存在する

では、鉄道沿線から20m範囲内で60デシベルを超えていれば、必ず評価減できるのか?というとそうではありません。

参考にはなりますが、やはり個別的に対応していくしかありません。

そして、もう一つ参考になるものとして、環境省が制定している騒音に係る環境基準についてというものがあります。

騒音に係る環境基準についてを参考にすると、東京都のB地域(住居地域等)の場合、55デシベル以下と定められています。

たとえば遺産相続する土地が、東京都のB地域に該当する場合には、55デシベルを上回る騒音がある場合には、評価減できると判断できます。

また、その他としては、東京都であれば航空機騒音や新幹線騒音に関しては、また別に環境基準が設けられていたりします。

以下のような飛行場に隣接している場合にも、評価減できる可能性があります。

  • 東京国際空港
  • 横田飛行場
  • 厚木飛行場
  • 調布飛行場

このように、全国一律で○○デシベルを超えるから評価減できるというわけではなく、裁決事例やその地域の環境基準と照らし合わせて判断していくことになります。

土地の評価は相続税対策としても重要です。

また、実際の申告においては、騒音計でデータを収集・分析し、それらを資料にまとめ、相続税の申告書と一緒に添付資料として提出します。

添付資料
添付資料
騒音計でデータを収集・分析し、それらを資料にまとめ、添付資料として提出

うるさいな!と感じたら評価減できるかも?ということを頭の片隅に入れておくのはいいかもしれません。

騒音のある土地の相続税評価方法を動画で解説

騒音のある土地の相続税評価方法について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。


動画内容

本日は、騒音のある土地の評価について、お話をさせて頂きます。

皆様のお住まいになられている地域の生活音はいかがでしょうか。

閑静な住宅街であれば、騒音の問題はないと思います。

ただし、交通量の多い地域や、近所で工事をしているといった場合には、騒音が気になるという方もいらっしゃるかと思います。

また、一言で騒音と言いましても、人それぞれ個人差があります。

「うるさい」だから評価を下げられる、というわけではありません。

一例を挙げますと、鉄道沿線の土地についてですが、60デシベルを超えているため、騒音だと判断された裁判もございます。

ただし、何デシベルを超えていれば評価減できる、というわけではなく、その地域の環境基準と照らし合わせて、判断していくこととなります。

そして、騒音のある土地と判断された場合には、10%の評価減が可能となります。

実際に評価減できるか否かの判断は難しいので、ここでは「うるさいな」と感じたら評価減できるかもしれない、ということを頭の片隅にでも入れて頂ければと存じます。