ほとんど価値がないものは、遺産分割で省略しても問題ない
被相続人の遺産には、現預金や不動産以外に、自動車や家具、衣類や書籍などの動産もあります。
逆に言えば、不動産などの遺産はなくても、動産は必ずあると言えます。
主な動産は以下のようなもので、様々な物があります。
- 自動車
- 家具
- 衣類
- 書籍
- 骨董品
- 美術品
- ブランド品
- 貴金属
- 書類(被相続人に保管義務のある)
その他にも、バイクや船舶なども動産となります。
では、この動産は全て遺産分割の対象にしないといけないのか?
服も一枚ずつ、遺産分割しないといけないのか?
そんなことはありませんので、ご安心下さい。
確かに衣類なども被相続人の遺産なので、厳密には遺産分割の対象となります。
ただ、ほとんど価値がないものは、遺産分割の際に省略して問題ありません。
あるいは、【動産一式】として、まとめて遺産分割する場合がほとんどです。
ただし、骨董品やブランド品などで価値のある物は、分割協議書に個別に明記して遺産分割します。
また、衣類だからと言って、全てを動産一式に含めて評価していいという訳ではなく、ブランド品の衣類で価値があるものは、個別で遺産分割することになります。
動産は価値があるかないかで、以下の判断をするのが基本的な考え方となります。
- 個別に遺産を明記して遺産分割する
- 動産一式としてまとめて遺産分割する
また、形見分けした衣類などは、そもそも遺産分割の対象にもなりません。
なので、動産一式に含める必要もありません。
また、価値がほとんどなく、むしろ廃棄費用でお金がかかるような物も、遺産分割の対象にする必要はありません。
ただ、価値はなくても、所有者を明確にしたい場合は、遺産分割の対象に含めて、価値0円とする方法もあります。
金銭的に価値がない遺産でも、他の相続人に無断で処分などはしないほうがいいでしょう。
揉める原因になりかねません。
動産で個別に遺産対象にするもの
動産は価値があるかないかで、個別に遺産分割、動産一式としてまとめて遺産分割、を判断するのが基本です。
ただし、価値がなくても、以下のような資産は「個別に遺産分割する」のが賢明です。
- 価値がなくても名義変更などが必要なもの
- 所有者が明確でないと、後にトラブルに発展する可能性のあるもの
例えば10万km以上走っている資産価値のない自動車でも、名義変更するために、動産一式に含めて共有で相続するのではなく、個別に遺産分割します。
また、被相続人に保管義務のあった書類も、資産価値はありませんが、相続人を明確(責任の所在を明確)にするために、個別に遺産分割したほうが賢明と言えます。
美術品や骨董品等で価値があるのか分からない。
そんな場合は、まずは購入時の価格で判断します。
数万円~数十万円であれば、動産一式で問題はありません。
ただ、購入時に数百万する。
もしくは、購入時の価格が不明だが、ブランド品で価値がありそう。
そんな場合は、相続税評価をする必要があります。
(評価方法については、美術品や骨董品等の相続評価方法と税務上の重要ポイントに記載)
動産は価値があるのかないのか、分かりづらい財産です。
相続税対策をするためにも、動産の評価額は早期に把握しておく必要があります。
また、動産の評価額を把握せずに、
- 遺産分割の前に処分してしまった
- 動産一式に含めて共有で相続した
- 相続後に売却してしまった
場合で、後にものすごい価値があったということが判明した時には、揉める原因になります。
また、相続税の修正申告も必要になってきます。
相続税対策や正しい相続税の申告、後のトラブルを防ぐためにも、動産の遺産分割はしっかり行いましょう。
動産の遺産分割方法を動画で解説
動産の遺産分割方法について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。
動画内容
普通、遺産というと、思い浮かべるものは不動産や預貯金などです。
でも自動車や衣類などの「動産」と呼ばれるものも遺産となります。
動産とは、自動車・家具・本・衣類・骨董品・美術品・ブランド品・貴金属類、そして、亡くなった方に保管義務があった書類、例えば、先祖伝来の書きつけ等です。
これらも遺産と聞くと、衣類も1枚ずつ分け合うの?と心配されるでしょうが、そんなことはございません。
動産は、価値がある場合には個別に遺産分割し、価値がない場合には「動産一式」として、まとめて遺産分割します。
ではどうやって「価値があるかないか」を決めるか?といいますと、だいたい購入した時の価格が数十万円までなら、「動産一式」としてまとめます。
一方、購入した時に数百万円したもの、また、購入価格が分からないけれど、価値がありそうな物は、個別に遺産分割する、といった形になります。
なお、個別に遺産分割するものは、専門の鑑定士さんに評価を依頼する等して、評価額を算定します。
また、価値がなくても、車のように名義変更などが必要なもの、誰が持っているか、はっきりしないと、後でトラブルになりそうなもの、例えば、保管義務のあった書類などは、個別に遺産分割します。
相続に関するお悩みは、税理士法人・都心綜合会計事務所にお任せください。