宅地造成費の金額は地域で決められている

宅地造成費の金額は、整地・土盛り、または土止めに要する費用が大体同じ位である地域ごとに、国税局長が定めています。

控除できる具体的な1㎡当たりの金額は、国税庁ホームページにて確認することが出来ます。

ここで該当の都道府県を選択
国税庁ホームページ01

宅地造成費の金額表をクリック
国税庁ホームページ02

該当地域の宅地造成費の金額表が表示されます。
国税庁ホームページ03

上述のように、既に金額が決められています。

なので、自分で計算して金額を算出する、といったことは不要です。

宅地造成費の金額
宅地造成費の金額
金額表に記載されているので、とても簡単。

それでは、具体的に宅地造成費の内容を見ていきましょう。

平坦地の宅地造成費

市街地農地の宅地造成費は、平坦地と傾斜地を区分し、それぞれ工事費目を控除することになります。

そして、平坦地の宅地造成費には、以下の項目があります。

  • 整地費
  • 土盛費
  • 土止費
  • 地盤改良費
  • 伐採・伐根費

整地費

凸凹がある土地の地ならしの費用となります。

もしくは、土盛工事が必要な土地を、土盛工事した後の地ならしをするための工事費となります。

土盛費

土地が道路よりも低い位置にあり、宅地として利用できるように、地上げする(土砂で埋め立てる)工事費となります。

ちなみに、評価基準には定められていませんが、「切土費」というものもあります。

これは土盛費と逆で、土地が道路よりも高い位置にあり、道路面まで土地を下げる(土砂を搬出する)工事費となります。

切土費は、評価基準には定められていませんが、【宅地造成費として控除できる】という過去の判例があります。

土止費

土地が道路よりも低い位置にあり、宅地として利用できるように、地上げする場合に、土盛りした土砂の流出や崩壊を防止するために構築する擁壁工事費となります。

ちなみに、土盛費・土止費とも、「宅地として利用できるように」というのは、原則、道路面までのことを指します。

また、土地が道路よりも高い位置にあり、道路面まで土地を下げる際にも、擁壁を設けないと土砂が流出する場合には、その土止費は宅地造成費として控除できると考えられます。

地盤改良費

湿田など、軟弱な表土で覆われた土地の地盤を、安定させるための工事費となります。

伐採・伐根費

樹木が生育している土地の、

  • 樹木を伐採
  • 根等を除去

するための工事費用となります。

なお、整地工事で樹木を除去できる場合には、宅地造成費に本工事費用は含めません。

傾斜地の宅地造成費

傾斜地の宅地造成費は、傾斜度によって金額が定められています。

また、この金額には、

  • 整地費
  • 土盛費
  • 土止費

は含めて算出されています。

ただ、伐採・伐根費は含まれていません。

なので、傾斜地に該当し、かつ、伐採・伐根が必要な場合には、平坦地の伐採・伐根費としての金額を、別途控除することが出来ます。

どこから傾斜地

傾斜地というからには、土地が傾いていることを指します。

そして、3度を超える傾斜の土地が、傾斜地となります。

〇〇度を超えるという判定は、以下の傾斜度区分の判定表を用います。

ただ、➀、➁の算出は、複雑かつ、専門家でないと算出出来ないため、ここでの説明は割愛させて頂きます。

傾斜度区分の判定表
傾斜度➀【高さ÷奥行】➁【奥行÷斜面の長さ】
3度超 5度以下0.0524超0.0875以下0.9962以上0.9986未満
5度超 10度以下0.0875超0.1763以下0.9848以上0.9962未満
10度超 15度以下0.1763超0.2679以下0.9659以上0.9848未満
15度超 20度以下0.2679超0.3640以下0.9397以上0.9659未満

この傾斜度が高いほど、控除できる宅地造成費の金額は高くなります。

ちなみに、以下は埼玉県の傾斜地の宅地造成費となります。
(国税庁HPより抜粋)

埼玉県の傾斜地の宅地造成費