
農地の相続税評価方法は、純農地・中間農地・市街地周辺農地・市街地農地のどれかに区分して評価します。考え方としては、農地の純度が高ければ相続税評価額は低く、逆に農地の純度が低く、宅地への転用の可能性が高いほど、相続税評価額は高くなります。
農地は、宅地への転用が制限されていたり、都市計画などにより地価事情も異なります。
これらのことから、農地の相続税評価方法は以下の4つに区分して、それぞれ評価します。
純農地とは・・、など細かな規定はありますが、考え方としては、農地の純度が高いか低いか?
言い換えれば、宅地への転用の可能性が低いか高いか?
で区分します。
といった、関係性にあります。
純農地は次に掲げる農地です。
(*1:市町村が定めた農振計画において定められた区域内の農地)
(*2:良好な営農条件を備えている農地)
(*3:市街化調整区域内にある特に良好な営農条件を備えている農地)
(*4:ただし、近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等に照らし、第2種農地または第3種農地に準ずる農地と認められるものは除外)
中間農地とは、次に掲げる農地です。
(*5:市街化が見込まれる区域内にある農地)
市街地周辺農地とは、次に掲げる農地です。
(*6:市街地の区域内、または市街化の傾向が著しい区域内にある農地)
市街地農地とは、次に掲げる農地です。
純農地、及び中間農地は、倍率方式によって評価します。よって、
【相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率】
となります。
(倍率方式の詳しい内容は、土地の相続税評価方法は主に路線価方式か倍率方式だが時価は?に記載しています。)
この倍率は、田または畑の別に、地勢や土性、水利等の状況で類似する地域ごとに、国税局長において倍率が定められています。

路線価図・評価倍率表より
例えば、固定資産税評価額が70,000円、倍率が16の場合の相続税評価額は、
「70,000円 × 16 = 1,120,000円」
となります。
市街地周辺農地は、その農地が市街地農地であるとした場合の価額の80%で評価します。よって、
【市街地農地の評価額 × 80%】
となります。
これは市街地周辺農地が、農地としての価額よりも、宅地に近い価額で取引されている実態があるためです。
市街地農地は、
のいずれかで評価します。
宅地比準方式とは、その農地が宅地であるとした場合の価額から、宅地造成費を控除した金額で評価する方式となります。よって、
【その農地が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額(*7) - 1㎡当たりの造成費の金額】
となります。
(*7:路線価方式により評価する地域にあっては、その路線価。倍率地域にあっては、評価しようとする農地に最も近接し、かつ、道路からの位置や形状等が最も類似する宅地の評価額を基として計算)
農地の相続税評価方法をまとめると、以下のようになります。
| 種別 | 評価方法 |
|---|---|
| 純農地 | 倍率方式 |
| 中間農地 | 倍率方式 |
| 市街地周辺農地 | 市街地農地の評価額 × 80% |
| 市街地農地 | 倍率方式、もしくは宅地比準方式 |
また、倍率表の見方として、評価倍率表に数字が記載されていれば倍率方式での評価となります。
そして、略称の関係は、以下のようになっています。

上記の例であれば、中105と書いてある箇所に該当する場合は、中間農地の倍率方式として、「固定資産税評価額 × 105」として相続税評価します。
比準と書いてある箇所に該当する場合は、市街地農地の宅地比準方式で、相続税評価額を計算します。

農業振興地域とは、都道府県知事が指定する、長期(概ね10年以上)にわたり、農業振興を図る地域をいいます。
農業振興地域に指定された土地は、農業上の用途区分が定められます。
そして、原則として、その用途以外に土地を使用することは出来ません。
このことから通常の農地に比べて、評価倍率が低くなっています。
農地の相続税評価方法について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴できます。