
青空駐車場(更地)のままでは、小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)は使えません。50%の評価減を適用するためには、アスファルト舗装やコインパーキングの精算機など、土地の上に貸付事業に関する「構築物」を設置する必要があります。ただし、相続開始前3年以内に始めた貸付事業には特例が適用されない「3年縛り」のルールには要注意です。また、資金面で構築物の設置が難しい場合は、借り手に車庫を負担してもらい賃借権の価額を控除する方法も検討してみましょう。
小規模宅地等の特例には、以下の4つがあります。
駐車場を貸付事業用として相続した場合、要件を満たせば「貸付事業用宅地等」として小規模宅地等の特例を適用し、200㎡まで50%の評価減を受けることができます。
しかし、ロープで区画を区切っただけの青空駐車場のように更地の状態の場合、税務上は単に「自動車を預かっているだけ」とみなされ、貸付事業用宅地等として認められません。
小規模宅地等の特例は、「建物や構築物の敷地」として利用されていることが適用の前提となるためです。

駐車場を貸付事業用宅地等として認めてもらうためには、土地の上に貸付事業に関する何かしらの「構築物」を設置する必要があります。具体的には以下のような対策が挙げられます。

【要注意】駆け込み対策を防ぐ「3年縛り」のルール
「それなら、親の生前に急いでアスファルトを敷こう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ここには大きな落とし穴があります。平成30年の税制改正により、いわゆる「3年縛り」という制限が設けられました。
現在は、相続開始前3年以内に新たに貸付事業(駐車場経営など)を始めた土地については、原則として小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)の適用が除外されます。
※ただし、相続開始前3年を超えて、事業的規模(いわゆる5棟10室基準や、駐車場であれば概ね50台以上)で不動産貸付業等を行っている場合などは例外となります。
そのため、青空駐車場の対策を行う場合は、早めに行動を起こすことが何よりも重要です。
アスファルト舗装やコインパーキング化が資金的に難しい場合、小規模宅地等の特例ほどの節税効果はありませんが、借り手側に車庫などを自己負担で建築してもらう方法もあります。
借り手が土地の上に建物を建てることを目的とする場合など、一定の要件を満たすと、自用地としての土地の評価額から賃借権(ちんしゃくけん)の価額を控除することができます。

具体的には、賃借権の登記がされている場合や、権利金・一時金の支払いがある場合などに、賃借権の残存期間等に応じて一定割合を控除します。詳細は国税庁のホームページ貸駐車場として利用している土地の評価
をご確認ください。
■控除できる割合の目安
賃借権の控除割合は、厳密には「法定地上権割合」と「賃借権の残存期間に応ずる割合」を比較し、いずれか低い方の割合を用いて計算します。ここでは一般的な駐車場の契約における、残存期間に応ずる割合の目安をご紹介します。
| 賃借権の残存期間 | 5年以下 | 5年超 10年以下 | 10年超 15年以下 | 15年超 |
|---|---|---|---|---|
| ① 堅固な構築物の所有目的等※ | 5% | 10% | 15% | 20% |
| ② 上記①以外の場合 | 2.5% | 5% | 7.5% | 10% |
※堅固な構築物の所有を目的とするもの、賃借権の登記がされているもの、権利金等の授受があるものなどが該当します。
例えば、評価額1億円の駐車場の土地で、最長5年の契約で権利金を受け取っている場合(上記①のケース)、
1億円 - (1億円 x 5%) = 9,500万円
となり、500万円の評価減となります。特例の50%減額には及びませんが、更地のままにしておくよりは有効な相続税対策となります。