身寄りがなくても、費用の負担が困難でも利用できる可能性はある
成年後見制度の利用を簡単に諦める必要はありません。
身寄りがない場合は、市区町村長が審判等の申立てを行う

通常、成年後見開始の審判等の申立ては、親族等の関係者が行います。
では、身寄りがない認知症の高齢者や知的障がい者、精神障がい者の方は、どうなるのか?
そのような方である場合、市区町村長が「後見人が必要であるかどうか」を判断します。
そして、必要であると判断された場合、市区町村長が成年後見開始の審判等の申立てを行います。
この際の申立費用(弁護士費用は含まれません)は、市区町村長が負担することになります。
費用の負担が困難で成年後見制度の利用を諦めている場合
申立費用を用意できない。
あるいは、後見人等への報酬の支払いが困難である。
このような場合には、「成年後見制度利用支援事業」や「法テラス」の利用を検討してみましょう。
成年後見制度利用支援事業とは、市区町村において、介護保険法に定める地域支援事業の任意事業として行われています。
注意点としては、あくまでも任意なので、全ての市区町村で行われているわけではありません。
また、利用するための条件として、「介護保険サービス又は障がい者福祉サービスを利用している高齢者、もしくは利用しようとする高齢者である」、「重度の知的障がい者又は精神障がい者で、かつ後見人等の申立費用や後見人等への報酬の支払いが困難であると認めれる」といった条件などがあります。
詳細につきましては、居住している市区町村へ問い合わせて、確認することをお勧めします。
そして、この制度を利用できるとなった場合、申立費用の他、後見人等への報酬の一部について助成を受けられたりします。
また、成年後見制度利用支援事業以外に法テラスというものもあります。
法テラスとは、国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所です。
法テラスでは、代理援助として、申立費用や申立代理人の弁護士費用等の立て替え支援をしています。
ただし、後見人等への報酬は支援の対象外となります。
ちなみに、その立て替えてもらった費用は、分割払いで法テラスに返済していきます。(法テラスから免除の決定を受けた場合は除きます。)
このように成年後見制度利用支援事業と法テラスは、支援の内容が異なりますので、注意が必要です。
法テラスの詳細につきましては、法テラスのHP
でのご確認をお勧めします。