成年被後見人が亡くなると成年後見はその時点で終了

成年被後見人が亡くなった後に「成年後見人が出来ること・出来ないこと」について、解説しています。

成年後見人が相続人に代わって葬儀をすることは不可能

成年被後見人(認知症の方など)が亡くなると、成年後見はその時点で終了となります。

成年後見が終了しますので、成年後見人の権限もその時点でなくなります。

もともと成年後見制度は、認知症や精神障がいの方の生存中に、身上監護や財産管理を支援する制度です。

なので、成年被後見人の死後のことである葬儀などは、通常すべて相続人の方が行うことになります。

しかし現実問題として、成年被後見人が亡くなっても、相続人が遠方に住んでいるなどで、直ぐに死後事務を行えない場合があります。

そこで、このような現実的な問題から、成年後見人でも一定の範囲で、成年被後見人の死後事務を行えるようにする、民法などの改正がありました。

ただし、葬儀を執り行う権限までは、成年後見人に与えられていません。

葬儀には、

  • 宗派
  • 施行方法
  • 葬儀の規模
  • 費用の負担

等で、成年後見人と相続人の間に、トラブルが発生する恐れがあるからです。

葬儀
葬儀
成年後見人が相続人に代わって葬儀をすることは不可能

なので、一定範囲の死後事務は成年後見人に認めつつも、葬儀までは認められていません。

ただし、「無宗教でのお別れ会や偲ぶ会を催すことは制限されない」と考えられています。

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成年後見人が出来る死後事務

成年後見人が一定の要件のもとに、職務として出来る成年被後見人の死後事務は、以下の通りです。

  1. 死亡届の提出
  2. 相続財産の保存行為
  3. 病院の診療費や入院費の支払い
  4. 火葬・埋葬の許可申請及び許可証の受け取り
  5. 病院に残置された私物の引き取りや、不用品の廃棄処分の依頼等

この死後事務は成年後見人だけで、保佐人・補助人・任意後見人は出来ません。

ただし、死亡届については、保佐人・補助人・任意後見人も独自の権限で可能です。

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成年後見人が死後事務を行うための要件

原則は相続人が行うことなので、成年後見人だからといって、無条件で成年被後見人の死後事務が出来るわけではありません。

成年後見人が死後事務を行うためには、以下の要件が必要です。

  1. 成年後見人が死後事務を行う必要がある
  2. 相続人が相続財産を管理できる状態ではない
  3. 成年後見人が死後事務を行うことが、相続人の意思に反していない

さらに、遺体の火葬・埋葬の契約等は、家庭裁判所の許可も必要となってきます。

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成年後見人と葬儀の関係について動画で解説

成年後見人が相続人に代わって、亡くなった後の手続きや葬儀ができるかどうかについて、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。

成年後見人は葬儀も出来る?

動画内容

成年後見人の役目は、その被後見人の方、つまり、判断能力が十分でない方が、亡くなられた時点で終わりとなります。

被後見人が亡くなった後の、手続きや葬儀を行うのは、通常は親族です。

もし、成年後見人が親族でない第三者の場合には、家族がやるような手続きまで関わる義務はありません。

しかし、人が亡くなると、役所への死亡届や火葬の許可申請など、様々な手続きを短期間で行う必要があります。

もし親族が遠方にしかいない場合、こうした手続がスムーズに行えないため、大変です。

そこで、このような現実的な問題に対応するため、法律が改正され、成年後見人にも、亡くなった直後の事務手続きの一部が行えるようになりました。

成年後見人にもできるようになった手続きとは、死亡届の提出、相続財産の保存行為、病院の診療費や入院費の支払い、火葬・埋葬の許可申請、及び、許可証の受け取り、病院に残された私物の引き取りや、不用品の廃棄処分の依頼などです。

ただし、保佐人や補助人、任意後見人の場合、死亡届の提出はできますが、そのほかの手続きはできません。

また成年後見人であっても、こうした手続を成年後見人が行うことが認められるには条件があります。

亡くなった後の手続きを、成年後見人が行う必要があるときや、亡くなった後の手続きを、成年後見人が行うことが、相続人の意思に反していないとき、そして、相続人が相続財産を管理できる状態ではないときです。

無条件で成年後見人による、死後の手続きが認められるわけではありません。

では、葬儀も成年後見人が行えるか、というと葬儀はできません。

葬儀には宗派といったデリケートな問題がありますし、葬儀のコンセプトや会場の規模、費用などを第三者が決めて執り行うと、後に相続人とトラブルになりやすいからです。