「土地の面積」に「路線価」や「補正率」を乗じて算出する

路線価方式の評価方法は、簡単に言えば、「土地の面積」×「路線価」となります。

ただ、同じ土地の面積でも「奥行が長くて使いづらい」など様々です。

これらの土地の利便性も考慮して、さらに「補正率」を乗じていく、という形になります。

路線価の調べ方

路線価図は毎年更新されており、国税庁のホームページで確認することができます。

国税ホームページの路線価図・評価倍率表にアクセスします。

そうすると、以下のような画面が表示されます。

路線価図・評価倍率表その1

ここで調べたい地区を選択していきます。

東京都を選択すると、以下の画面が表示されます。

路線価図・評価倍率表その2

そして、この画面にて、黄色箇所の「路線価図」をクリックします。

そうすると、以下のような画面が表示されます。

路線価図・評価倍率表その3

ここで調べたい地区をクリックします。

新宿区をクリックすると、以下の画面が表示されます。

路線価図・評価倍率表その4

ここで該当する箇所を選択します。

以下は「地名:神楽坂2」「路線価図ページ番号21011」を選択した場合の画面となります。

路線価図・評価倍率表その5

ここで該当する土地の箇所を探します。

路線価の見方

路線価図・評価倍率表その6

図の黄色の箇所は「地区の区分」を意味します。

これは間口が狭かったり(路線価に面しているところが狭い)、奥行が長かったり、土地がいびつな形(不整刑地)の場合、「土地の面積」×「路線価」に【補正率】を乗じていきます。

この【補正率】が地区の区分で異なってきます。

路線価図・評価倍率表その7

図の黄色の箇所は「借地権割合」を意味します。


路線価図・評価倍率表その8

仮に黄色の箇所が面積100㎡の場合、以下の算式となります。
(細かい条件等は省略)

「100 × 1,040千円 × 補正率(高度商業地区)」

1㎡あたりの路線価が千円単位で表示されていますので、「1,040千円」を乗じます。

また、Cと表示されているので、借地権割合は70%となります。

画地調整

画地調整とは評価する宅地の奥行距離や形状、宅地に接する路線の数などにより、土地の価格を調整するものです。

土地の利便性を考慮して、評価額を調整(減額)していく、ということです。

奥行価格補正率

奥行価格補正率は、画地調整で必ず使われるものです。

正面路線からの「奥行の長さ」を基に判定します。

~以下、国税庁HP(奥行価格補正率表)より引用~

奥行価格補正率
奥行距離(m)ビル街高度商業繁華街普通商業・併用住宅普通住宅中小工場大工場
4未満0.800.900.900.900.900.850.85
4以上6未満0.920.920.920.920.900.90
6〃 8〃0.840.940.950.950.950.930.93
8〃 10〃0.880.960.970.970.970.950.95
10〃 12〃0.900.980.990.991.00.960.96
12〃 14〃0.910.991.001.000.970.97
14〃 16〃0.921.000.980.98
16〃 20〃0.930.990.99
20〃 24〃0.941.001.00
24〃 28〃0.950.99
28〃 32〃0.960.980.98
32〃 36〃0.970.960.980.96
36〃 40〃0.980.940.960.94
40〃 44〃0.990.920.940.92
44〃 48〃1.000.900.920.91
48〃 52〃0.990.880.900.90
52〃 56〃0.980.870.880.88
56〃 60〃0.970.860.870.87
60〃 64〃0.960.850.860.860.99
64〃 68〃0.950.840.850.850.98
68〃 72〃0.940.830.840.840.97
72〃 76〃0.930.820.830.830.96
76〃 80〃0.920.810.82
80〃 84〃0.900.800.810.820.93
84〃 88〃0.900.80
88〃 92〃0.860.810.90
92〃 96〃0.990.84
96〃 100〃0.970.82
100〃0.950.800.80

Aの土地が普通住宅地区に該当し、奥行の長さが7mの場合、路線価による評価額の計算式は次のようになります。

「Aの土地の面積」 × 「路線価」 × 0.95

側方路線影響加算率

土地が角地である場合などには、2つの道路にします。

このような場合、一方の路線を「正面路線」、もう一方の路線を「側方路線」といいます。

側方路線があるということは、土地の利便性が増すことを意味します。

よって、「その分土地の評価額を上げる」ということになります。

具体的には、どちらが「正面路線もしくは側方路線」であるかを決めます。

その上で「側方影響加算率」というものを加味します。

~以下、国税庁HP(側方路線影響加算率表)より引用~

側方路線影響加算率表
地区区分加算率
角地の場合準角地の場合
ビル街地区0.070.03
高度商業地区
繁華街地区
0.100.05
普通商業・併用住宅地区0.080.04
普通住宅地区
中小工場地区
0.030.02
大工場地区0.020.01

正面路線の判定方法

路線価に、その路線に応じた奥行価格補正率を乗じて計算された金額の大きい路線を正面路線とします。

各路線の路線価の金額だけで、判定するわけではありませんので注意しましょう。

  1. A路線:200千円(路線価) × 0.98(奥行価格補正率)=196千円
  2. B路線:198千円(路線価) × 1.0(奥行価格補正率)=198千円

このような場合、「B路線側が正面路線」となり、「A路線側が側方路線」になります。

この土地が「普通住宅地区で角地の場合」の相続税評価額の計算式は、以下のようになります。

「(198千円 × 1.0) + (200千円 × 0.98 × 0.03)」 × 土地の面積

ちなみに準角地とは、以下のように一系統の路線の屈折部の内側に位置するものをいいます。

準画地

このほかに「土地の表と裏が道路に面している・土地の三方が道路に面している」など、さまざまケースがあります。

ただ、基本的な考え方としては、「土地の面積」に「路線価」や「補正率」を乗じて算出する、という考え方は同じです。

不整刑地補正率

土地が「きれいな四角形ではない」場合もあります。

このような土地を【不整形地】といいます。

不整形地は、土地の利便性が下がります。

よって、不整形地補正率というもので、土地の評価額を調整(減額)します。

不整形地補正率は、以下の3つの要素で決まります。

  1. 地区区分
  2. 地積区分
  3. かげ地割合

地区区分

~以下、国税庁HP(地積区分表)より引用~

地積区分表
地区区分地積区分
ABC
高度商業地区1,000㎡未満1,000㎡以上
1,500㎡未満
1,500㎡以上
繁華街地区450㎡未満450㎡以上
700㎡未満
700㎡以上
普通商業・併用住宅地区650㎡未満650㎡以上
1,000㎡未満
1,000㎡以上
普通住宅地区500㎡未満500㎡以上
750㎡未満
750㎡以上
中小工場地区3,500㎡未満3,500㎡以上
5,000㎡未満
5,000㎡以上

例えば、土地甲の地積が200㎡で普通住宅地区の場合、地積区分はAとなります。


かげ地割合

かげ地割合とは、次の算式により計算した割合となります。

かげ地割合=(想定整形地の地積 - 不整形地の地積) ÷ 想定整形地の地積

不整形地

土地甲が上図の場合、かげ地割合は、以下のようになります。

(250㎡-200㎡)÷250㎡=20%


~以下、国税庁HP(不整形地補正率表)より引用~

不整形地補正率表
地区区分高度商業地区、繁華街地区、
普通商業・併用住宅地区、
中小工場地区
普通住宅地区
地積区分ABCABC
かげ地割合
10%以上0.990.991.000.980.990.99
15% 〃0.980.990.990.960.980.99
20% 〃0.970.980.990.940.970.98
25% 〃0.960.980.990.920.950.97
30% 〃0.940.970.980.900.930.96
35% 〃0.920.950.980.880.910.94
40% 〃0.900.930.970.850.880.92
45% 〃0.870.910.950.820.850.90
50% 〃0.840.890.930.790.820.87
55% 〃0.800.870.900.750.780.83
60% 〃0.760.840.860.700.730.78
65% 〃0.700.750.800.600.650.70


土地甲の評価額は、以下のようになります。

250,000(円) × 1.0(奥行価格補正率) × 0.94(不整形地補正率) × 200(㎡)=47,000(千円)