
庭内神し(ていないしんし)という言葉をご存じでしょうか。以前はこの庭内神しの敷地には相続税がかかっていました。ただ、現在では一定の条件をクリアすれば非課税となります。この記事では、庭内神しの基礎知識から、敷地が非課税になるための具体的な条件までをわかりやすく解説しています。
敷地の評価について知る前に、まずは「庭内神し」がどのようなものかを確認しておきましょう。
庭内神しとは、ご神体を祀り、日常的に礼拝を行っているお社(やしろ)や祠(ほこら)などの設備を指します。
祀られているご神体には、次のようなものがあります。
これらのお社や祠といった「本体」部分は、お墓や仏壇と同じように「祭祀財産(さいしざいさん)」と呼ばれます。
祭祀財産は相続税の対象から外れるため、本体そのものに税金はかかりません。

では、その庭内神しが建てられている「敷地(土地)」の扱いはどうなるのでしょうか。
結論をお伝えすると、一定の条件を満たせば敷地部分も非課税になります。
なお、お墓なども相続税がかからない財産として有名です。
昔の相続税のルールでは、庭内神しの「本体」は非課税でも、その下の「敷地」にはしっかりと税金がかけられていました。
しかし現在では取り扱いが変わり、以下の3つのポイントを総合的に見て判断されるようになっています。
難しく聞こえるかもしれませんが、要するに「お社と敷地が一体となっており、日常的にお参りされているか」という点が重要です。
具体的には、「どこに建てられているか」「どういう歴史や理由で作られたのか」「地域の人や家族からどれくらい信仰されているか」などをチェックされます。
これらが認められれば、敷地部分も非課税財産として扱われます。
ただし、「庭に祠があればどんな土地でも必ず非課税になる」というわけではありません。
例えば、「もうすぐ相続が発生しそうだから」と慌てて庭にお地蔵様を購入して置き、土地の税金を安くしようとするような行為は、当然ながら非課税としては認められません。
あくまで、古くからそこにあって、本当に信仰の対象になっていることが前提となります。
また、条件を満たしたからといって、庭全体の土地が非課税になるわけではありません。
非課税として認められるのは、あくまで「お社が建っている部分と、お参りをするために必要な最小限のスペース」のみとなりますので、その点にはご注意ください。
少しテーマは異なりますが、ご自宅の近くに墓地があるような土地の場合、評価額を下げて相続税を減らせる可能性があります。
詳しくは、近くに墓地がある場合の土地の相続税評価方法をご確認ください。
税理士法人 都心綜合会計事務所の税理士、田中順子が庭内神しの敷地に関する相続税のルールを解説します。
動画には字幕が付いているため、音を出せない環境でも内容をご確認いただけます。
動画内容
そもそも庭内神しって何?という方がほとんどだと思います。
庭内神しとは、神の社や祠といった、ご神体を祀って日常礼拝に使われているもののことです。
ご神体とは、次のような地域住民の信仰の対象とされているものをいいます。
こうしたものは昔からずっとあります。
住宅街の一角や商業ビルの間などに、古びた祠がそっと設置されている光景を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
庭内神し自体は相続税の対象になりません。
しかし、今回の話はその敷地部分です。
庭内神しの敷地は、かつては庭内神しとは別物として相続税の課税対象でした。
ですが、今では条件次第で非課税となります。
その条件とは庭内神しの敷地が庭内神しの設備と一体であり、日常礼拝の対象にされているといってよい程度に、庭内神しと不可分な敷地であることです。
ちょっとわかりにくい条件だと思いますが、これは、たとえば庭に地蔵菩薩を設置して、土地を非課税にしようとするような行為を防ぐためのものだと考えてください。
もう少し細かい判断基準を申し上げますと、以下の3点から総合的に判断するようになっています。
つまり庭内神しの敷地の位置、庭内神しが設置された経緯、地域住民やその土地所有者の信仰対象の割合などから、庭内神しの敷地が非課税かどうか決まるということです。
ところで神仏に関係する財産は、何となく無条件で相続税が非課税になると誤解されています。
お墓や仏壇などが非課税になることが有名だからかもしれません。
しかし庭内神しの敷地は、無条件で非課税になるわけではありませんので注意してください。
こうした土地を相続したときは、税理士にご相談ください。
そして相続に関することなら、税理士法人 都心綜合会計事務所にお任せください。