【水路に面している土地】の相続税評価方法
水路に面している土地の相続税評価方法は、接道義務を「満たしている・満たしていない」で、変わってきます。
接道義務を満たしている場合
道路の間に水路がある場合の土地の評価方法は、接道義務を満たしているかどうかで変わります。
えっ?
でも接道義務って住宅など建築物の敷地が
【幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない】
とか規定されてるものでしょ?
水路の場合、満たしていないのでは?
確かに水路の場合、道路に2m以上の~、などの前に道路に面していないので、接道義務を満たさないと思われるかもしれませんが、条件によっては接道義務を満たします。
ちなみに接道義務を満たしている場合の土地の評価方法は、簡単に言いますと、
- 水路を含めて土地を一旦評価(水路部分も想定整形地に含める。下図参考)
- 1の評価から水路部分を削除(水路部分をかげ地として評価減)
といったような流れとなります。
また、昔の水路の名残である青線(あおせん)は法定外公共物(注1)であるため、評価対象地に含まれている場合、評価対象から除きます。
(注1)道路法・河川法・下水道法・海岸法等の法令の適用又は準用がなく、かつ登記上私権が設定されていない公共物のこと
現状では水が流れておらず、公図で確認する必要があります。
この確認が漏れると相続税評価額が上がることになり、その分の相続税が上がることになります。
ちなみに接道義務を満たしてない土地は、無道路地として評価します。
無道路地で評価をするということは、道路に面していない「使い勝手の悪い土地」として、相続税の評価額が少なくなります。
接道義務を満たしているかどうかの判断
水路に面していても、接道義務を満たすのかどうか?
これが相続税の実務においては、様々なケースがあり、少しやっかいとなってきます。
以下は簡単な事例のご紹介ですが、「実際には現地調査・役所調査などをする必要」があります。
相続の際には必ず専門家に相談しましょう。
接道義務を満たしているケース
以下のような場合は、接道義務を満たします。
- 評価対象地と建築基準法上の道路が適法(注2)に橋でつながっている
- 農業用水路の名残である細い水路であり、その水路が道路の範囲に含まれる
(注2)水路をまたいだ橋のみで道路と接する場合、占用許可を得ている必要あり。占用許可を得ていない場合は、接道義務を満たしていないと判断
接道義務を満たさないケース
以下のような場合は、接道義務を満たしません。
- 評価対象地と建築基準法上の道路が橋でつながっていない
- 評価対象地と建築基準法上の道路が橋でつながっているが、その橋が違法な橋である
動画で解説
水路に面している土地の相続税評価方法について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。