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水路と接道義務の基本ルール

建物を建てるためには、原則として「幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない」というルールがあります。

これを建築基準法上の「接道義務」と呼んでいます。

自治体によっては、さらに厳しいルールが条例で定められていることもあります。

そして、道路と土地の間に水路がある場合、土地は直接道路に接していません。

そのため、一見するとこの接道義務を満たしていないように思われます。

しかし、一定の条件をクリアしていれば、例外的に「接道義務を満たしている」とみなされるケースがあります。

そして、接道義務を満たしている場合の土地の評価方法は少し特殊です。

水路
水路
道路と土地の間に水路がある場合の土地の評価方法は、接道義務を満たしているかどうかで変わる

まず、橋を通って道路に出る部分の幅を「土地の入り口」と考えます。

そして、その土地全体を囲むような、きれいな四角形(想定整形地)をイメージします。

このきれいな四角形の評価額を基準として、計算を始めます。

想定整形地参考
想定整形地参考
水路に面している、接道義務を満たす土地の想定整形地(赤枠)

次に、その四角形の中に含まれる「自分の土地ではない部分(水路など)」の割合を出します。

この自分の土地ではない部分を、専門用語で「かげ地」と呼びます。

この「かげ地の割合」が大きいほど、土地の形がいびつだと判断され、評価額が割り引かれます。

また、昔の水路の名残である「青線(あおせん)」にも注意が必要です。

青線は国や自治体が所有する土地です。

自分の敷地のように見えても、青線の部分は評価から除外しなければなりません。

現在は水が流れていない地面であっても、公図などで確認する必要があります。

水路の上にフタをして、見た目が普通の通路になっているケースは特に見落としがちです。

役所の図面を確認すると、実は水路(青線)が隠れていることがよくあります。

青線の存在を見落とすと、本来より高い評価額で申告してしまい、相続税を払い過ぎる原因になります。

一方で、接道義務を満たしていないと判定された土地は「無道路地」として扱われます。

無道路地は、原則として新しく建物を建てることができないため、使い勝手の悪い土地となります。

そのため、将来道路に出るための通路に必要な部分の価値などを差し引くことができ、相続税の評価額は大きく下がります。

ただし、マイナスできる金額には「最大で40%まで」という上限があります。

実際の計算では、土地の形がいびつであること(不整形地)による割引なども組み合わせるため、最終的な評価額はさらに下がることもあります。

それでも評価額が完全にゼロになるわけではありませんので、過度な期待は禁物です。

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接道義務を満たしているかどうかの判断

水路に面した土地が接道義務を満たしているかどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか。

土地ごとに状況がまったく異なるため、実務において非常に悩ましいポイントです。

ここでは分かりやすい目安をご紹介します。

正確な判断には現地調査や役所でのヒアリングが欠かせません。

自己判断はせず、相続が発生したら必ず相続に詳しい税理士にご相談ください。

接道義務を満たしているケース

次のような場合は、基本的に接道義務を満たしていると判断されます。

  • 対象の土地と道路が、幅2m以上ある適法な橋でしっかりとつながっている
  • 昔の農業用水路のような細い水路であり、水路自体が道路の一部として行政に認められている

橋を渡って道路に出る場合、役所から正式な「水路占用許可」を得ている必要があります。

許可を得ていない勝手な橋の場合、原則として接道義務を満たしていないとみなされます。

許可をもらうための基準も自治体によって異なるため、やはり役所での事前確認が欠かせません。

また、接道義務を満たしていても、橋の幅が狭い場合は「間口狭小補正」というルールでさらに評価額を下げられる可能性があります。

専門家にしっかりとチェックしてもらいましょう。

接道義務を満たさないケース

次のような場合は、原則として接道義務を満たしていないと判断されます。

  • 土地と道路の間に橋がなく、物理的につながっていない
  • 橋があっても、役所の許可を取らずに勝手に架けた違法な橋である

ただし、今は無許可の橋でも、手続きを踏むことで後から許可を取れるケースがあります。

この場合、単純に無道路地として評価できないことがあります。

厳密には接道義務を満たしていなくても、周囲の状況などから役所の「特別な許可や認定(建築基準法第43条第2項の許可など)」を得られるケースもあります。

この特別な許可が得られれば建物を建てられるため、無道路地よりも評価額は高くなります。

また、昔の水路(青線)が原因で家が建てられない場合でも、役所からその水路部分を買い取る「払い下げ」ができれば、普通の土地として利用できるようになります。(ただし、払い下げには隣の土地の所有者の同意などが必要になることも多く、思いのほか時間がかかります。)

こうした判断にも、やはり事前の調査が重要になります。

測量や役所との協議には、数か月の期間と数十万円の費用がかかるのが一般的です。

相続税の申告期限に間に合わせるためにも、早めの行動が大切です。

できることなら、生前のうちに土地の状況を確認しておくことをおすすめします。

これらの判断には専門知識が不可欠です。

少しでも迷ったり不安を感じたりしたら、専門家へご相談ください。

動画で解説

水路に面している土地の相続税評価について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士である田中順子がわかりやすく解説しています。

字幕付きの動画となっておりますので、音が出せない環境でも安心してご視聴いただけます。

水路に面している土地の相続税評価方法

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