相続のことなら創業50年目の「税理士法人 都心綜合会計事務所」にお任せください

特別控除ができる主な条件(2024年以降の最新版)

この特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例)を使うには、まず以下のいずれかの方法で空き家を売却する必要があります。

  1. 建物を解体して、更地にしてから売却する
  2. 耐震リフォームをして、建物と土地をセットで売却する
  3. 【2024年からの新ルール】古い建物のまま売却し、売却した翌年の2月15日までに買主側で解体または耐震改修をしてもらう

以前は売る側が自腹で解体などをしなければいけませんでしたが、現在はそのまま売却して買主に任せることもできるようになり、非常に使いやすくなりました。

その他の必須条件

上記の売り方に加えて、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 譲渡価額が1億円以下であること
    (土地・建物合わせた売却金額です。※土地を複数回に分けて分割売却した場合などは、その合計額で判定されます)
  2. 相続してから売却するまで、誰も使っていないこと
    (自分で住んだり、人に貸したり、事業に使ったりしていないこと)
  3. 家屋(母屋)とその敷地をセットで相続していること
    (「兄が家屋、弟が土地」のように別々に相続した場合は対象外です)
  4. 買主が配偶者や同居親族、自分が経営する同族会社などではないこと
  5. 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた一戸建てであること
    (マンションは対象外です)
  6. 相続開始から「3年を経過する日の属する年の12月31日」までに売却すること
    (例:2026年中に売却したい場合、2023年1月1日以降に相続したものが対象になります)
  7. 控除の上限額について
    相続人が1人または2人の場合は最高3,000万円ですが、相続人が3人以上いる場合は、1人あたりの控除上限が最高2,000万円となります。(2024年以降の売却分から適用)

亡くなった方が老人ホームに入居していた場合は?

「親が老人ホームに入っていて、実家はずっと空き家になっていたんだけど…」というケースも多いですよね。

以前はこの特例の対象外とされていましたが、現在はルールが緩和されています。以下の要件などを満たせば、老人ホームに入居していて空き家になっていた場合でも、特例が使えるようになっています。

  • 亡くなった方が、老人ホームに入居する「直前」に要介護認定等を受けていたこと
  • 老人ホームに入居する直前まで、その家に1人で住んでいたこと
  • 老人ホームに入居してから亡くなるまで、その家を人に貸したりしていないこと
老人ホーム
老人ホーム
要介護認定を受けて老人ホームに入居していた場合など、一定の条件を満たせば特例の対象になります。

具体的な計算例

どれくらい税金がお得になるのか、簡単な例で見てみましょう。

  1. 解体費用:500万円
  2. 土地の売却額:5,000万円
  3. 親(被相続人)が土地を買った時の金額:2,000万円
  4. 親の所有期間が5年を超えている

通常、不動産を売って利益が出ると約20.315%の税金(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)がかかります。

特別控除が使えない場合:税金は約500万円
計算式:[5,000万円(売却額) - 500万円(解体費用) - 2,000万円(購入費用)] × 税率約20.315%

特別控除(3,000万円)が使える場合:税金は0円
計算式:[5,000万円(売却額) - 500万円(解体費用) - 2,000万円(購入費用) - 特別控除額3,000万円] × 税率約20.315% = 0円!

※計算上の注意点:
建物の取得費(購入費用)は、当時の購入代金から年数に応じた減価償却費を差し引いて計算するなど、実際の申告には詳細な確認が必要です。

※手続き上の注意点:
特例の適用により税金が計算上「0円」になる場合でも、必ず「確定申告」と、市区町村での「被相続人居住用家屋等確認書」の取得手続きが必要です。何もしないと自動的に0円になるわけではないのでご注意ください。

自宅(空き家)はもはや資産ではなく負債?

2024年の人口戦略会議の最新推計では、全国の744の自治体が「消滅可能性自治体」になると予測されています。

消滅
消滅
2024年の推計では全国の744市区町村の自治体が消滅?

さらに、2050年には日本の国土の約6割が無人になるという国土交通省の試算もあります。
そのような時代背景もあり、「実家(空き家)を相続したくない」という方が増え続けています。

空き家を維持するには、固定資産税やメンテナンス費用がかかり続けます。リフォームして売ろうと思っても、人気エリアでなければ買い手がつかないことも少なくありません。

また、日本では建物を解体して更地にすると、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がる仕組みがあるため、「とりあえず建物を残しておく」人が多く、全国で空き家問題が深刻化しました。

これを解決するため、国は【空き家対策特別措置法】を改正し、空き家へのペナルティを強化しました。倒壊の恐れがある「特定空家」だけでなく、窓が割れていたり雑草が放置されたりしている「管理不全空家」に指定され、市区町村から改善の「勧告」を受けた場合、建物が建ったままでも住宅用地特例から外れ、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるという厳しい措置がとられるようになっています。

実家が空き家になることが予想される場合、相続税対策だけでなく、売却時の税金、固定資産税、解体費用などもトータルで考える必要があります。

リフォーム
リフォームや解体
空き家を相続する場合には、維持費や解体費用、将来の売却まで見据えて考える必要があります。

「実家を誰が相続するのか?」「相続したら売るのか、住むのか?」「売るとしたらいくらになりそうか?」
特例を使うには「相続発生から約3年以内」という縛りに加え、現在の制度自体が【2027年(令和9年)12月31日までの売却】を対象とした期間限定の特例となっています。

後で「知っていれば税金がかからなかったのに…」と後悔しないよう、事前のシミュレーションと早めの対策をおすすめします。

  1. ホーム
  2. 相続破産防止
  3. 空き家の相続