【継続勤務従業員】に該当するかどうかがポイント

取引相場のない株式の会社規模の判定に使う従業員の範囲について、解説しています。

正社員=継続勤務従業員ではない

会社規模の判定に使われる従業員数のカウントには、以下の算式を利用します。

従業員数のカウント方法

ただ、以下のような場合は、継続勤務従業員なのか?そもそも従業員なのか?という問題があります。

  • 正社員だが週2~3日の勤務
  • 出向中の者
  • 派遣会社より派遣されている者

結論から言いますと、正社員だからといって、全てが無条件で継続勤務従業員とはなりません。

また、出向中の者や派遣社員については、雇用関係や勤務実態から社員かどうかを判断します。

なぜ正社員=継続勤務従業員にならないのか?

従業員数のカウント方法にも記載していますが、継続勤務従業員には、就業規則等で定められた、「1週間当たりの労働時間が30時間未満」である従業員は含めません。

正社員=継続勤務従業員ではなく、あくまでも時間で判断しています。

これは仮に正社員を単純に1名としてカウントしたら、週2日勤務の正社員と、週3日勤務の正社員がいた場合、2名の継続勤務従業員数となります。

他の会社では週5日の正社員しかいない場合、会社の規模が同等だとしても、継続勤務従業員数が異なってきて、判定に影響が出てきます。

なので、労働時間数で判定しています。

雇用
雇用
雇用関係だけでなく、勤務実態からも判断

また、取引金額の判定においては直前期末以前1年間の合計額、総資産は直前期末の数字を用いていることから、従業員数の判定でも直前期末以前1年間を用いています。

出向社員のカウント方法

出向とは、元の会社に人事上の籍を残すなどして、何かしらの関係を保ちながらも、その会社の関連会社等と新たに雇用契約を結び、継続的にその関連会社等で勤務することをいいます。

出向社員については、出向元との雇用関係が解消されており、出向先で雇用されている場合には、出向先の従業員としてカウントします。

そうでない場合には、雇用形態や勤務実態に基づいた判断が必要となります。

派遣社員のカウント方法

派遣労働者とは、事業主が自己の雇用する労働者を他人の指揮命令のもと、当該他人のために労働に従事させることをいいます。

なので、雇用関係が派遣元の会社となりますので、派遣元の会社の従業員としてカウントします。

そして、以下の1の場合は継続勤務従業員、2の場合は継続勤務従業員以外の従業員となります。

  1. 派遣労働者が派遣元事業者との雇用契約関係に基づく従業員であり、派遣の有無にかかわらず、派遣元事業者から賃金が支払われる場合
  2. 派遣労働者が派遣元事業者への登録のみで、派遣される期間だけ派遣元事業者と派遣労働者との間で雇用契約が締結され、賃金が支払われる場合

派遣先の会社では派遣社員を社員としてカウントしない?

基本的には雇用契約がないことから、派遣先の会社の従業員としてカウントしません。

ただ、現実的にはパートやアルバイトなど労働の在り方は様々です。

そして派遣社員の受け入れは、正社員やパート、アルバイトなどの採用の一環であるとも考えられます。

そうなると雇用形態こそないものの、実質的には派遣先における従業員と認めても差し支えないと考えられます。

なので派遣先の会社においては、受け入れた派遣労働者の勤務実態に応じて、従業員に含めるかどうかを判定しても問題ありません。