放棄する、欠格・廃除に該当したら相続人になりません

本来だったら相続出来る権利があるにも関わらず、相続人にならないケースがあります。

相続人にならない理由には、以下のものがあります。

  1. 相続の放棄をした
  2. 相続人の欠格事由に該当する
  3. 推定相続人から廃除された
  4. 相続開始以前や同時に死亡した

相続の放棄

法律上は相続人だけど「私は相続人になりたくない・財産はいらない」というのが相続放棄です。

相続を放棄した人は、初めから相続人でないものと見なされます。

なお、相続の放棄をする場合には、相続の放棄をする旨を、自己のために相続の開始があったことを知った時から、3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。

相続放棄についての詳しい内容は、相続放棄に記載しています。

相続人の欠格事由に該当する

「欠格」は相続人としての資格を法的にはく奪することです。

自分が相続上の利益を得る目的で殺害・詐欺・脅迫や遺言の偽造、破棄を行った人は、当然財産を引き継ぐ資格がなくなります。

例えば、子供が親を殺してしまったケースなどが該当します。

殺害
殺害
殺害などした場合、相続人としての資格は法的にはく奪されます。

その他の例としては、

  • 相続の先順位もしくは同順位にある者を殺害し(もしくは殺害しようとして)、刑に服した者
  • 詐欺や強迫によって、被相続人に無理やり遺言書を書かせる、撤回させる、変更させるなどをした者
  • 被相続人の遺言書を偽造や破棄、隠匿した者

などがあります。

ちなみに、誰がそもそも相続人としての資格があるのか、いわゆる「法定相続人に該当するのか」については、法定相続人になれる人に詳しく記載しています。

推定相続人から廃除された

推定相続人というのは、その人が亡くなったら相続人と推定される人のことを言います。

通常、親が亡くなれば子供は相続人と推定されますが、親が存命中に暴力や虐待などをしていた場合には、相続人から除かれる(廃除される)ということです。

「廃除」は、家庭裁判所の判断で相続権を失わせることを意味します。

亡くなった方に対して虐待・重大な侮辱をした人や、著しい非行がある人には、相続をさせないというものです。

廃除は、手続きを生前に行うこともできます(生前廃除)。

遺言で排除することもできます(遺言廃除)。

ただし、家庭裁判所は通常、この申し立ては慎重に審議し、実際には相続廃除が認められることは少ないです。

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相続開始以前や同時に死亡した

これは子供のほうが先に亡くなった場合などです。

相続できる権利があっても、先に亡くなっていたら、当たり前ですが相続人とはなりません。

相続開始以前の死亡は分かりやすいのですが、では同時死亡の場合はどうなるか?

同時死亡とは、複数人の死亡が確実であり、死亡時期の前後が不明であるときに、これらの者を「同時に死亡したもの」と推定することを言います。

例としては、飛行機事故などがあります。

同時死亡の推定を受けた者の間では、その間での相続はないものとされます。

親子で同時に死亡したと推定された場合、「その子は相続人ではない」ということになります。

被相続人の死亡時に、相続人は生存者である必要があるからです。

ただし、同時死亡というのはあくまでも推定ですので、生存者の証言などで、同時死亡でないことが判明すれば、その判明した順番で死亡したことになり(同時死亡でなくなり)、その間での相続は発生します。

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動画で解説

相続権があるにもかかわらず、一定の理由によって、相続人にならない人がいる、ということについて、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。

相続人にならない場合はどんな時?

動画内容

相続人にならない一定の理由とは、相続放棄、相続人の欠格事由に該当、推定相続人からの排除、相続開始前や相続と同時に亡くなってしまったことが該当します。

まず、相続の放棄とは、相続人が自ら相続人にならないという申出を家庭裁判所にすることです。

相続放棄の手続きは、原則として、その相続があったとき、つまり、被相続人が亡くなった時から3ヶ月以内に行う必要があります。

相続放棄を行うと、最初から相続人ではなかったものとみなされ、相続人ではなくなります。

続いて、相続人の欠格事由に該当することです。

相続人の欠格事由とは、相続人が財産目的で親族を殺害したり、詐欺や脅迫を行って遺言書を作成させたり、遺言書を偽造したり破棄したりすることが該当します。

このようなことをしてしまった人は、当然ですが、相続人ではなくなります。

推定相続人から排除される、というのはどういうことかというと、亡くなった方が生前に、将来自分の相続人になるであろう人に、相続をさせないようにすることです。

たとえば、子どもから虐待を受けたり、重大な侮辱を受けたりした親は、生前に家庭裁判所に、その子どもを相続人から排除するよう請求することができます。

そのほか、遺言書によって排除の請求をする、ということも可能です。

排除の請求に伴い、家庭裁判所は慎重に、推定相続人からの排除を行うかどうか審議をします。

ちなみに、廃除が認められるケースは少ないです。

最後は、相続開始の前や相続と同時に亡くなってしまった場合です。

相続人は、相続があったときに生存していることが前提となります。

したがって、相続開始前に亡くなった方は、相続人になりません。

また、事故などで複数の方が亡くなったとき、どちらが先に亡くなったかわからないときは、同時死亡とみなされます。

同時死亡の場合もまた、相続人にはなりません。

ただし、生存者の証言などから同時死亡でないことがわかれば、その順番で死亡したとして相続が発生します。

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