相続税納税義務者の表(被相続人が日本人の場合のみ)
相続税の納税義務の関係は以下の図のようになります。
より詳細な表で確認したい場合は、国税庁HPの相続人が外国に居住しているときをご参照ください。
そして、住所の判断は基本的には住民票があるところで判断します。
ただし、住民票があるところが必ずしも住所と言えない場合もあります。
また、住民票があるところを住所とするなどの規定はありません。
実際に住民票が日本にはないが、実際は日本に住んでいるということで裁判になったこともあります。
あくまでも住民票は電気・水道・ガスの使用などと同じく、実際に生活しているかどうかの客観的な資料となります。
相続税の納税義務者は3つに分けられる
相続人は
- 居住無制限納税義務者
- 非居住無制限納税義務者
- 制限納税義務者
のどれかに該当致します。
なお、被相続人(財産をあげる側)が外国人被相続人や非居住被相続人である場合については、説明が複雑になるため、その部分は割愛して説明しています。
割愛している内容についても知りたい場合は、国税庁HPの相続人が外国に居住しているときをご参照ください。
居住無制限納税義務者とは
相続又は遺贈により財産を取得した個人で、その財産取得時に日本国内に住所を有するものが該当し、国内・国外を問わず、全ての財産が相続税の対象。
非居住無制限納税義務者とは
相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者で、その財産の取得時に日本国内に住所を有しないもの。
国内・国外を問わず、全ての財産が相続税の対象。
- 日本国籍を有する個人(*1)
- 日本国籍を有しない個人(*2)
*1、その個人又は被被相続人が、相続開始前10年以内のいずれかの時に、日本国内に住所を有したことがある場合に限る
*2、被相続人が「相続開始時に日本国内に住所を有していた」場合に限る
制限納税義務者とは
相続又は遺贈により日本にある財産を取得した個人で、その財産の取得時に日本国内に住所を有しないもので、かつ、非居住無制限納税義務者に該当しない者。
国内財産のみ相続税の対象。
(国外財産には相続税がかからないということです。)
結局、非居住無制限納税義務者とは何なのか?
非居住無制限納税義務者の条件は、租税回避を防ぐために設けられたものであり、複雑になっています。
要は相続人が、たとえ財産の取得時に日本国内に住所を有していなくても、以下のような条件の場合には、国内・国外を問わず、全ての財産を相続税の対象にします、ということです。
非居住無制限納税義務者の事例1
相続人に日本国籍がある場合、被相続人、もしくはその相続人が相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していれば全て課税されます。
→その心は:相続の直前になって、相続人が海外に住所を移して租税回避するのを防ぎます。
非居住無制限納税義務者の事例2
相続人に日本国籍がない場合、被相続人が相続開始時に日本国内に住所を有していれば全て課税されます。
→その心は:たとえ相続人が日本国籍を外しても、被相続人が日本国内で亡くなったのであれば全て課税します。