相続税アップは消費税と所得税の増税、法人税減税への生贄
2015年に相続税の基礎控除等の減額があり、大幅に相続税が増税されました。
そして今後も相続税は上がり続けると言われています。
しかし相続税の国の税収は所得税や法人税、消費税に比べて少ないです。
ちなみに令和5年度のメジャーな税収は、概ね以下のような金額になっています。
- 消費税:約23兆円
- 所得税:約22兆円
- 法人税:約16兆円
- 相続税:約3兆円
2014年時点(相続税の大幅な増税前の最後の年)と、2023年の相続税の税収を比べると約1兆円の増額となっています。
参考資料:財務省のホームページ相続税の課税件数割合及び相続税・贈与税収の推移
これを大きい金額と見るか、少ない金額と見るかは人それぞれですが、国全体の税収の割合でいうとわずかともいえます。
相続税を増税しても焼け石に水なのでは?
ただ、国はこのようなことを把握した上で増税したとも言われています。
でも、なぜ相続税はさらに上がり続けると言われるのか?
それは他の税法(消費税・所得税・法人税)との関係から、相続税の増税は決められていると言われています。
国は消費税を上げたい
消費税アップの良し悪しは別として、国は消費税を上げたいと考えています。
それは1%消費税を上げると、2兆円の税収アップになると考えられているからです。
消費税を上げると他の税収が減るという説もありますが、ここでの話しはどの税金を上げるべきか・下げるべきかという話ではありません。
日本の将来を考えると超高齢化社会が待っています。

日本には超高齢化社会が待ち受ける
それに伴い社会保障の負担増が確実に見込まれています。
景気の波に税収が左右されやすい法人税や所得税ではなく、税収が安定している消費税で国はこの問題を解決したいと言われています。
ただし、消費税増税は貧しい人にも一律に税金アップの波が押し寄せます。
そうなると社会全体の不満が増加します。
そこで相続税を上げることにより、お金持ちに対しても、きっちり増税していますとアピールして、その不満を吸収しようとしているのです。
大して税収が増えない相続税アップは、消費税アップへの生贄であると言われています。
国は所得税を上げ・法人税を下げたい
インターネットの普及などに伴い、企業はいとも簡単に国境をまたがって活動できるようになりました。
大企業でなくともグローバルに活躍している企業は増え続けています。
その結果、本社を税金の安い国に置くという事例が増えています。

節税のため本社は日本に置かない
日本の法人税は諸外国に比べて高いと言われています。
そうなると、わざわざ税金の高い日本に法人を置かないという選択も増え、日本の法人数の減少に繋がり、結果、国際競争力の減少を招くと考えられています。
なので国は法人税を減税したいと考えています。
その代わりに、その減税分の穴埋めとして所得税は上げたいということです。
法人税の減税は一般の国民には実感しにくく、所得税の増税は生活に直結します。

所得税の増税は生活に直結
そうなると、また社会全体の不満が増加します。
そこで相続税の出番となってきます。
相続税を上げ、お金持ちに対して増税することにより、社会の不満を吐き出したいのです。
このように消費税と所得税の増税、法人税減税への生贄として、今後も相続税は上がり続けると言われています。
今後も相続税は上がり続けると考え、相続税対策を行っていく必要があります。

相続税対策をしっかり行いましょう。