相続時精算課税適用者である孫は「相続税の計算上」では不利

被相続人の孫(その年1月1日において20歳以上)であれば、その孫も相続時精算課税方式を選択できます。

相続時精算課税制度を利用して、孫に収益物件等を贈与すると、

  • 相続を1回飛ばせる
  • 贈与税額を抑えられる
  • 被相続人の遺産増加の抑制になる

など、メリットがあります。

ただし、注意点もあります。

孫が相続時精算課税適用者である場合には、相続税の計算の際に、

  • 債務控除できない
  • 相続税の2割加算がある

という点に注意が必要です。

孫を相続時精算課税適用者にする場合の注意点
孫を相続時精算課税適用者にする場合の注意点
相続税の計算上では不利

孫が相続時精算課税制度を利用する場合には、これらのことを理解し上で利用しましょう。

債務控除ができない

相続時精算課税適用者が被相続人(特定贈与者)の孫である場合、孫は被相続人の法定相続人でないため、原則として、債務控除の適用が出来ません。

孫が葬式費用などを負担しても、相続財産(相続時精算課税適用財産の価額)から控除できません。

また、被相続人の借金などマイナスの財産を遺産相続しても、プラスの財産からマイナスできません。

孫が葬式費用などを負担したり、借金を相続したとしても、孫の相続税が安くならない、ということです。

ちなみに、これが被相続人の子供であれば、法定相続人ですので、葬式費用の負担や借金を相続すれば、その分相続税の節税につながります。

債務控除についての詳しい内容は、葬式費用は相続財産から控除等に記載しています。

ただし、孫が被相続人(特定贈与者)から、包括遺贈により遺産相続した場合は話が別です。

この場合には、孫でも債務控除ができます。

包括遺贈についての詳しい内容は、包括遺贈に記載しています。

相続税の2割加算がある

孫は被相続人からみたら、二親等の血族にあたります。

一親等の血族及び配偶者に該当しないので、相続税額の2割加算の対象となります。

ただし、被相続人の直系卑属(いわゆる子供)が相続開始以前に死亡しているため、孫がその代襲相続人である時には、相続税額の2割加算の対象にはなりません。

相続税の2割加算についての詳しい内容は、相続税の2割加算に記載しています。

動画で解説

お孫さんに相続時精算課税を適用するとき、絶対に知っておいていただきたい注意点について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。

孫を相続時精算課税適用者にする場合の注意点

動画内容

そもそも相続時精算課税制度はお孫さんに対してでも使えます。

その年の1月1日において、お孫さんが20歳以上でなければならない点には注意が必要ですが、それさえ満たせばお子さんと同様に相続時精算課税制度によって、累計2,500万円まで非課税で贈与することができます。

もちろん、贈与をした方が亡くなれば、贈与した財産は相続財産に持ち戻され、お孫さんには相続税がかかります。

しかし、それでもお孫さんへの贈与にはメリットがあります。

たとえば相続時精算課税制度を利用して、お孫さんに賃貸用不動産を贈与したとします。

そうすると相続を1回飛ばせる、贈与税額を抑えられる、賃貸収入による被相続人の遺産増加の抑制になる、といったメリットがございます。

ですが注意点もございます。

まず、お孫さんには、原則として債務控除が適用されません。

債務控除とは被相続人、つまり亡くなった人の生前の借金などの債務や、その方自身の葬式費用の負担をした場合に、相続した財産の額からそれらを控除できるというものです。

債務控除を適用できれば、相続税を引き下げる効果があります。

しかし、債務控除は基本的に相続人にしか適用できません。

お孫さんは相続人ではないため、いくら借金を引き継いだとしても債務控除ができません。

ただ例外として、遺言書でお孫さんに包括遺贈をすれば、お孫さんでも債務控除が適用できます。

包括遺贈については別動画にて解説をしています。

続いての注意点は、相続税の2割加算が適用されるということです。

相続税の2割加算とは、負担する相続税の額が1.2倍になるという怖いルールです。

これが適用されないのは、一親等の血族及び配偶者のみとなります。

お孫さんは被相続人からみたとき、二親等の血族にあたりますので2割加算の対象となります。

ただし、これも例外として、お孫さんが「被相続人のお子さん」の代襲相続人にあたる場合は、2割加算の対象にはなりません。

代襲相続とは、お子さん、つまりお孫さんの親が、今回の被相続人よりも先に亡くなってしまっているため、お子さんの代わりにお孫さんが相続権を引き継いだ場合です。

相続税の2割加算についての詳しい内容は、別動画にて解説をしています。

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