適用要件

相続時精算課税制度の適用要件は相続時精算課税制度の適用要件に記載していますが、簡単に言えば

  1. 贈与者の要件
  2. 受贈者の要件

を満たしているかどうかです。

よって、贈与者や受贈者の一定の要件を満たしていれば、外国人であっても、海外の財産の贈与であっても、相続時精算課税制度を利用することができます。

具体例としては、日本に居住する甲(日本国籍・80歳)から、甲の孫である乙(アメリカ居住・アメリカ国籍・25歳)に、甲の海外財産である10万ドルを贈与する場合でも、乙は相続時精算課税制度を利用することができます。

また、もう一つの具体例としては、日本に居住するアメリカ人A(40歳)が、Aの父であるB(アメリカ居住・アメリカ国籍・70歳)から、Bが所有する日本の不動産を贈与される場合でも、Aは相続時精算課税制度を利用することができます。

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外国人である場合の必要書類

相続時精算課税制度を利用するためには、以下のような書類を税務署へ提出する必要があります。
(詳しくは国税庁HPの相続時精算課税を選択する贈与税の申告書に添付する書類に記載されています。)

  • 贈与者の住民票の写しなど
  • 受贈者の戸籍の附票の写しなど

ただし、受贈者や贈与者が外国国籍の場合には、上記に該当する書類が揃えられません。

そのような場合には、上記書類に代わるもの(宣誓供述書など)で証明する必要があります。

動画で解説

外国人や海外にある預金や不動産、こういった財産でも相続時精算課税制度を使えるのか?ということについて、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴できます。

外国人や海外の財産でも相続時精算課税制度は利用できる?

動画内容

相続時精算課税制度は日本の相続税や贈与税に関係する制度ですから、外国人への贈与や財産が外国のものだったりすると、使えないのではないかと心配されるかもしれません。

ただ、結論から申し上げますと、外国人でも使えますし外国にある財産でも使えます。

通常の相続時精算課税制度と同じ要件を満たしていれば大丈夫です。

たとえば日本人である祖父からアメリカ人の孫に、海外に預けている10万ドルを贈与する場合にも使えます。

贈与する人が外国人というパターンでも大丈夫です。

たとえばアメリカ人であるお父さんAから、日本に住んでいるアメリカン人のお子さんBに、Aが所有する日本の不動産を贈与する場合でも使えます。

最後になりますが、外国人が相続時精算課税制度を使うとき注意点がございます。

それは税務署に提出する書類です。

相続時精算課税制度を使うには、贈与を受けた人から税務署に対して手続きが必要になります。

このとき、贈与した人や贈与を受けた人の戸籍謄本や住民票の写しなどの書類を用意して提出しなければなりません。

では、それらが用意できない外国人の方はどうするのかというと、そういった書類に変わる別の書類を用意しなければなりません。

たとえば宣誓供述書などが挙げられます。

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