現実には借地権だけの売却は困難
借地権だけ売却したい。そのような場合には、必ず専門家と相談しましょう。
借地権だけの売却は、簡単ではありません。
地主が承諾すれば借地権は売却可能
借地権だけ売却できるのか?
疑問に思う方は少なくありません。
結論から言ってしまえば、借地権だけの売却は可能です。
ただし、条件があります。
それは地主の承諾です。また、承諾の対価として、承諾料の支払いも必要となってきます。
では、地主が反対したら100%借地権だけの売却は出来ないのか?
実はそうとも限りません。
地主の反対に正当な事由がない場合には、借地人は借地権を売る許可を裁判所に求めることが可能です。
ただし、借地権を買いたい方がいなければ、もちろん、それも不可能です。
借地権の売却価格はいくらが妥当?
路線価で評価すると3億円で、借地権割合が60%だから、1億8千万円で売れる・・
このように、よく勘違いされる方がいらっしゃいます。
そもそも【路線価で評価する】というのは、相続税や贈与税の計算で用いるもので、実際の売買価格とはなりません。
また、【借地権だけを買いたい】という方はそもそも少なく、さらに借地上の建物が古いと建替えも必要となってきます。
そして、建て替える場合には、地主の承諾が必要で、建替承諾料を地主に支払う必要もあります。
最終的には、売却価格は交渉次第となりますが、現実はかなり安くなると思っていた方が無難です。
実際に第3者に借地権を売却し、建物を建て替える場合、
- 売主(今の借地人)が借地権の売却代金から、譲渡承諾料と建替承諾料を地主に払う
- 現在の建物の名義を、新しい借地人にする
- 新しい借地人の負担で建物を建て替える
といった流れになります。
法律手続きや売却価格をいくらにするか?など、借地権だけの売却は難しいものとなります。
借地権だけの売却を考えている方は、必ず不動産会社などの専門家と相談してから決めましょう。
そして、相続対策も含めて借地権を売却したい場合には、都心綜合会計事務所にお任せ下さい。
相続のワンストップサービスを提供しております。
動画で解説
借地権だけを売却することができるのか、ということについて、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。
動画内容
結論からいいますと、借地権だけを売却することは可能です。
ただし、原則は地主さんの承諾が必要となります。
このとき地主さんからは、承諾することの対価として、承諾料の支払いを求められることが一般的です。
では、もし地主さんから売却を反対されたときは、どうすればいいのでしょうか。
地主さんが反対することに正当な事由がないと考えられるときは、借地権を売却する許可を裁判所に求めることができます。
法律上は、売却先の第三者が借地権を取得することで、地主さんが不利となるおそれがないにもかかわらず、承諾しないことを条件としています。
では、無事に地主さんの承諾を得たとき、気になるのは、借地権がどのくらいの価格で売れるのか、そしてどのような流れで新しい借り主に売却するのか、という所かと思います。
よく借地権の評価額として、土地の更地の評価額に借地権割合をかけた金額、というものがあります。
たとえば、更地の評価額が3億円で借地権割合が60%なら、1億8千万円という感じです。
しかしこの計算方法は、あくまで相続税や贈与税を計算するための評価額の計算方法ですので、売却価格とは別物です。
しかも借地権だけ買いたいというニーズは、それほど多いものではありません。
また、その土地の上には建物がありますので、それが古いと、さらに売りにくくなります。
一般的な売却の流れは、まず今の借り主が地主さんに、借地権の売却と建物の建て替えの承諾をセットでもらいます。
さきほど、売却の承諾に料金が発生すると申し上げましたが、建物の建て替えの承諾にも別料金が発生します。
これは、今の借り主が負担するのが一般的です。
これらの承諾や料金の支払いを済ませてから、新しい借り主に借地権や古い建物を売却し、新しい借り主が建物を建て替える、というケースが多いです。
最終的な売却価格は、買い手との交渉次第となります。
ただ、買い手にとっても負担の多い取引ですので、現実的には、かなり安くなると思っていた方が無難です。
このように借地権の売却はかなり複雑ですので、売却を考えている方は、必ず不動産会社などの専門家と相談してから決めましょう。
そして、相続対策も含めて借地権を売却したい場合には、税理士法人・都心綜合会計事務所にお任せ下さい。
相続のワンストップサービスを提供しております。