
収益を目的とする果樹が相続税の評価対象になり、「成熟していない果樹」と「成熟している果樹」で評価方法が異なってきます。
果樹(かじゅ)とは、林檎や蜜柑といった果物のなる樹木のことをいいます。
そして、この果樹は、必ずしも相続税評価の対策になるとは限りません。
収益を目的していない果樹は、相続税の評価対象になりません。
逆に言えば、果物農家が所有している果樹は、相続税の評価対象になります。
そして、果樹の評価方法は、樹種ごとに、
に区分して評価します。
幼齢樹は、評価を行う果樹等が「成熟する前」の状態です。
よって、果物の収穫ができません。
このような果物が収穫できない幼齢樹は、その果樹を植えた時点から課税時期までの間に要した
等の費用の合計の【70%の金額】で評価します。
被相続人が亡くなった時に、果物が収穫できないからといって、相続税評価額が0円になるわけではありません。
成熟樹は、果物が「収穫できる状態」の樹木をいいます。
この成熟樹の評価方法は、いったん、植樹から成熟までの期間に要した、
などの費用を合計します。
そして、その合計額から「成熟期から課税時期までの定額法」により計算した、減価償却費の累計額を控除します。
そして、その控除後の【70%の金額】で評価します。
主な果樹等の耐用年数は以下のようになります。
| 種類 | 項目 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| かんきつ樹 | 温泉みかん | 28 |
| その他 | 30 | |
| りんご樹 | わい化りんご | 20 |
| その他 | 29 | |
| ぶどう樹 | 温室ぶどう | 12 |
| その他 | 15 | |
| なし樹 | 26 | |
| 桃樹 | 15 | |
| びわ樹 | 30 | |
| かき樹 | 36 |
国税庁HPの減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表
より一部抜粋
収益を目的とした、果物農家が所有している果樹が、相続税の評価対象になります。
ということは、(被相続人は)毎年確定申告をしていたハズです。
よって、所得税の確定申告に必要な
等があることになります。
そして、これらの書類の数字を基に果樹を評価することも出来ます。
幼齢樹の場合
農業所得用の「収支内訳書、又は青色申告決算書」の「果樹・牛馬等の育成費用の計算」の【翌年への繰越額の金額】を基に評価
例えば、
の場合の相続税評価額は、以下のようになります。
(500万円 + 50万円) x 0.7 = 385万円
成熟樹の場合
農業所得用の「収支内訳書、又は青色申告決算書」の「減価償却費の計算」の【未償却残高】を基に評価
屋敷内や庭園の中にある果樹は、相続税の評価対象になりません。
また、自宅敷地と畑などの境界にある果樹も、評価対象になりません。
これらは数量が少なく、かつ、「収益を目的として所有する」ものではないからです。