山林に設定された【賃借権の価額を控除】して計算

貸し付けられている、山林の相続税評価方法について、解説しています。

貸し付けられている山林の相続税評価方法
貸し付けられている山林の相続税評価方法
山林に設定されている賃借権の価額を控除する

「純山林」に係る賃借権の価額の計算方法

貸し付けられている純山林の相続税評価は、純山林の自用地としての価額から「純山林に係る賃借権の価額」を控除して算出します。

そして、純山林に係る賃借権の価額は、「純山林の自用地としての価額」に「残存期間に応ずる割合」を乗じて算出します。

ちなみに、この残存期間は、契約更新によって「延長されると認められる期間」も含みます。

計算例

以下のような条件で貸し付けられている、純山林の相続税評価額の計算例です。

  • 固定資産税評価額:160,000円
  • 地積:10,000㎡
  • 倍率評価地域
  • 純山林の評価倍率:3倍
  • 20年間の貸付契約(期間満了後は20年間の契約更新予定)で、残存期間5年

相続税評価額は、以下のようになります。

➀自用地としての価額

固定資産税評価額:160,000円 × 3倍 = 480,000円

➁純山林に係る賃借権の価額

➀ × 30%(注) = 144,000円

相続税評価額(➀-➁)

336,000円(480,000円 - 144,000円)

注:「残存期間5年+契約更新20年=25年」なので、「残存期間に応ずる割合」から30%

残存期間に応ずる割合

残存期間に応ずる割合は、以下のようになります。

残存期間に応ずる割合
残存期間割合
10年以下のもの5%
10年超15年以下のもの10%
15年超20年以下のもの20%
20年超25年以下のもの30%
25年超30年以下のもの
及び存続期間の定めのないもの
40%
30年超35年以下のもの50%
35年超40年以下のもの60%
40年超45年以下のもの70%
45年超50年以下のもの80%
50年を超えるもの90%

「市街地山林」と「中間山林」に係る賃借権の価額の計算方法

市街地山林に係る賃借権の価額は、その山林の「近隣の宅地に係る借地権の価額等を参酌して求めた価額」によって評価します。

中間山林に係る賃借権の価額は、賃貸借契約の内容や利用状況等に応じて、「純山林、又は市街地山林に係る賃借権の価額」の定めにより、求めた価額によって評価します。