
相続税の申告のやり方には、相続人1人1人が別々に申告書を作成して提出する方法と、1通の申告書に全員で署名して提出する方法があります。相続人1人1人が別々に申告書を作成し、かつ、一致するはずの申告する財産の総額が違う場合、どうなるか?基本的にそれぞれの相続人がバラバラに勝手に違う内容で申告をしたら税務調査が来る。そう思っておいたほうが賢明です。相続税の申告を各自で行う場合は、必ず内容を一致させましょう。
相続税の申告は、原則相続人単位で申告します。
例えば故人Aさんの相続人が5人いて、その5人が各々(おのおの)財産を相続し、相続税が発生している場合には、原則それぞれが相続税の申告をします。
ただし、相続人ごとに申告するとしても、以下のような部分は共通のはずです。
詳しくは相続税が算出されまるでの計算の流れに記載していますが、以下の流れで各相続人の相続税が計算されます。
このように相続税の申告は、自分がもらった財産のみで税金計算をして申告するわけではありません。
故人の全財産の把握をしてから一旦相続税の総額を算出し、それから各自の財産の取得割合に応じて税金計算をすることになります。
しかし、まれに相続人間で揉めている場合や仲が悪い場合、本来同じ金額になるはずの財産総額や相続税総額が異なってくる場合があります。
相続人〇〇さんとは会いたくないので、私は私で相続税の申告をします、といった場合、相続人ごとに別々の税理士を付けて申告することになります。
そして土地が歪であったりすると、1円単位で完全に評価額が同じになるということはまずありません。
そうなると財産総額が異なってきて、結果、遺産分割そのものは同じ内容で申告したとしても相続税が異なってきます。
また
といった場合、AさんBさんで名義株あり・なしでバラバラに申告する場合などもあります。
なお、名義株についての詳しい内容は名義株も税務調査で問題になりやすいに記載しています。
こうなると税務調査が来る確率は格段と高まります。
というより、むしろこちから税務調査に来てください、と言っているようなものです。

そもそも同じであるべきところの数字が違うので、税務署としてもどれが正しい申告なのか分かりません。
どんなに仲が悪くても、意見が割れていても、財産総額と相続税の総額までは一致させましょう。
なお、現時点の相続税の申告書用紙は、相続人全員が連名する形にはなっていますが、相続人1人ずつで申告することは可能です。
ただ、同じはずの金額が違うなら税務調査が来る確率が上がるのは当然とも言えます。
それぞれの相続人がバラバラに勝手に違う内容で申告をしたら税務調査が来る。そう思っておいたほうが賢明です。
相続人が各自で相続税の申告を行うのは危険?ということについて、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴いただけます。
動画内容
相続税の申告のやり方には、相続人1人1人が別々に申告書を作成して提出する方法と、1通の申告書に全員で署名して提出する方法があります。
ただし、別々に申告する場合でも、申告書には相続人全員がそれぞれ何を相続したか、すべて記載する必要があります。
たとえば相続人が長男と次男であれば、長男は長男で自分が相続した財産も、弟が相続した財産も書かなければなりません。
次男は次男で、自分と兄が相続した財産をすべて書いて申告します。
申告先は、いずれも亡くなった方の住所地を管轄する税務署となります。
税務署では、それぞれの相続人から送られてきた申告書を1つずつ照らし合わせて内容をチェックします。
さて別々に申告書を作成する場合、通常は内容をよく打ち合わせてから作成します。
そうしないと財産の総額が兄と弟で違う、ということが起こってしまうからです。
相続の内容は同じなのですから、当然、申告する財産の総額も1円単位でぴったり一致するはずです。
ところが相続人同士が不仲だと、そうはいきません。
それぞれが好き勝手に申告したり、別々の税理士に依頼して申告書を作成したりすることがあります。
いくら税理士に依頼しても、相続に関しては財産の額がぴったり一致する、ということはたいへん稀です。
特に形がいびつな土地があると、評価額が1円単位で一致することはまずありません。
もし財産の総額が合わない申告書が作成された場合、それを税務署が見過ごすはずはありません。
税務調査がやってくる可能性は当然高くなります。
打ち合わせをしないで申告するという行為は、むしろこっちから税務調査に来てください、と言っているようなものです。
相続税の申告書をそれぞれで提出するときは、必ず内容を一致させてください。
もし遺産分割の段階で揉めているときは、まずは遺産分割をしっかり調えましょう。
もし遺産分割ができていなくても、その状態のまま相続人全員で正しく申告することは可能です。
とりあえず申告期限が来る前に自分だけでも申告しておこう、と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、そのような時は一度、税理士にご相談ください。