遺言書は公正証書で作成すべき

「公正証書遺言の作成方法やメリット・デメリット」について、解説しています。

そして、よほどの理由がない限り、遺言書は「公正証書での作成」をお勧めします。

公正証書遺言の作成方法

公正証書遺言は公証人に対して、遺言者が口述で遺言書の内容を伝え、公証人が書き取って書面にし作成します。

なお、あらかじめ遺言の内容を記載した紙などを用意し、公証人に書き写して作成してもらうのは、遺言が無効になる可能性があります。

あくまでも、口頭で伝える必要があります。

口頭
口頭
公正証書遺言は口頭で公証人に遺言書の内容を伝える必要があります。

そして口頭で伝える際に、遺言者は証人2人を立ち会わせる必要があります。

証人2人は最初から最後まで、遺言者の口述を聞く必要があります。

口述の途中で退席したことが原因で、公正証書遺言が無効になった事例もあります。

証人
証人
遺言者は証人2人を立ち会わせる必要があり、最初から最後まで遺言者の口述を聞く必要があります。

このように【公正証書遺言=有効】とは限りません。

公証人の手続きに不備があれば、その場合も無効となります。

公証人役場は「全国の都道府県庁所在地」と「その他の主要都市」にあります。

ちなみに全国に約300か所あります。

そして、「住んでいる場所の公証役場でないといけない」などの決まりはありません。

どこでも自由に好きなところを、遺言者が選べます。

通常は遺言者と証人が公証人役場へ赴いて行うのが一般的ですが、遺言者が病気などで公証人役場まで行けない場合には、公証人に来てもらうことも出来ます。(ただし、別途費用がかかります。)

遺言書の作成においては、遺言者が公証人に口頭で話した内容と、公証人が書面にした内容が一致していることを証人などが確認します。

問題なければ、遺言書・証人がそれぞれ署名・押印し、公証人が公正証書である旨を記載・署名捺印し完成となります。

注意点としては事前連絡もなしに、いきなり公証役場に行っても公正証書遺言は出来ません。(自筆証書遺言は思い立った日に書いて作成することが可能です。)

事前に公証人へ電話連絡などをして、遺言の内容や必要書類などを打ち合わせし、伺う日程を調整してから、公証役場に出向いて公正証書遺言を作成します。

証人の条件

この証人は誰でもなれるわけではありません。

以下のような人は、証人になれません。

  • 未成年者
  • 成年被後見人
  • 署名できない人
  • 相続人の配偶者
  • 被相続人と深い関係がある人
  • 遺言書の内容が読めない・理解できない人
  • 推定相続人、受遺者およびその配偶者ならびに直系血族
  • 公証人の配偶者や4親等内の親族、公証役場の書記官や職員

証人が他に見つからない場合は、弁護士・司法書士・税理士などが依頼され証人になる場合もよくあります。

また、公証役場に依頼して証人を紹介してもらうことも可能です。

ただし、その証人には手数料がかかります。

必要書類

公正証書遺言の作成には、原則として以下の書類が必要です。

  • 遺言者の印鑑(印鑑証明書と同一のもの)
  • 遺言者本人の印鑑証明書(発行3か月以内)
  • 証人2人の住所、職業、氏名、生年月日が分かる資料
  • 遺言で相続人以外の人に遺贈する場合は、その人の住民票
  • 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本(発行3か月以内)
  • 財産が不動産以外の場合、財産を記載したメモなど
  • 財産が不動産の場合、土地・建物の登記事項全部証明書および固定資産評価証明書

作成費用

公正証書遺言の作成費用は、目的財産の価額(遺産の額)によって変わります。

詳しくは、以下のページに記載しております。

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公正証書遺言の費用は全部でいくらかかるのか?

なお、遺言を取り消す場合は11,000円で、内容の修正等は作成費用の1/2で、同じ公証人役場で行う場合は1/4となります。

公正証書遺言の保管

遺言書がいつ亡くなるのか分からないため、遺言の保管には苦労します。

ただ、公正証書遺言の場合には、原本を公証人役場が保存します。

公正証書遺言は

  • 原本
  • 正本
  • 謄本

の3つが作成されます。

その内の原本は公証役場で保管され、正本と謄本は遺言者に渡されます。

正本を遺言者本人が保管し、謄本はその他の相続人や証人などに渡しておくのが一般的です。

遺言者が正本を無くしても、本人の印鑑証明と実印、身分証明書(免許証)を公証役場に持っていけば、再発行してくれます。

また、今では公正証書はデジタル保存もされます。

そして、全国の公証役場でオンライン検索ができ、被相続人が公正証書遺言を作成していたかどうかを、最寄りの公証役場で調べることが可能です。

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遺言書の確認

公正証書遺言のメリット

遺言には自筆証書遺言と公正証書遺言、秘密証書遺言があります。

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自筆証書遺言の作成方法やメリット・デメリット秘密証書遺言の作成方法やメリット・デメリット

一般的に普及している遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言です。

簡単に言ってしまえば、自筆証書遺言は簡単で便利だけれども、安全性や有効性に欠ける場合があり、公正証書遺言は手間だけれども「安全性」や「有効性」に長けていると言えます。

ただ、どちらで遺言書を作成したほうがいいですか?と言われれば、やはり公正証書での作成をお勧め致します。

公正証書
公正証書
遺言書の安全性や有効性を考慮すると、公正証書での作成がお勧めです。

公正証書遺言は公証役場に原本が保管されるので、紛失や改ざんされる心配がありません。

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自筆証書遺言を法務局で保管するメリット

また、検認を受ける必要もなく、相続開始後直ちに執行出来ます。

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そして、公証役場で遺言書を作成しますので、公証人が遺言の書き方などについてアドバイスしてくれます。

よって、遺言書が無効になるということは、ほぼありません。

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こんな自筆証書遺言は無効になる

ただ、このように遺産分割したほうがいいなどの、内容についてのアドバイスはありません。

また、証人の立ち会いによって、遺言書そのものの存在が不明になることもありません。

多くの点で「自筆証書遺言のデメリットをカバー」しています。

メリットが大きい
メリットが大きい
自筆証書遺言に比べて、何かとメリットがあります。

また、相続が発生すれば公正証書遺言は、全国の公証役場で被相続人の名前で遺言書を検索出来ます。

遺言書があるのかどうか不明、本当に被相続人が書いたのか怪しい、法的に有効な遺言書になっていない、などが自筆証書遺言では発生しやすいです。

このような状態では、相続人間でもめ事も起こりやすく、相続税対策どころの話ではなくなる場合もあります。

確かに自筆証書遺言は手軽で便利ですが、相続人間の無用なトラブルを避けるためにも、「公正証書で作成したほうがいい」と言えます。

公正証書遺言のデメリット

公正証書遺言での作成をお勧めしますが、もちろん以下のようなデメリットもあります。

  • 手続きが面倒
  • 作成費用がかかる
  • 遺言書の訂正などが面倒
  • 証人に遺言の内容が漏れる

また、これは公正証書遺言のデメリットというわけではないのですが、公正証書遺言の後に自筆証書遺言が作成された場合、後から作成した自筆証書遺言のほうが有効になります。

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公正証書遺言で作成したからといって、絶対に有効な遺言とは限らないということです。

絶対
絶対
公正証書遺言だからといって、絶対に有効とは限りません。

なお、公正証書遺言の内容の一部を、後日、自筆証書遺言で修正するという方法もあります。

動画で解説

公正証書遺言について、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。

公正証書遺言書の作成方法やメリット・デメリット

動画内容

公正証書遺言は、遺言を作りたい人が遺言の内容を口で言い、公証人が聞いて作成します。

遺言を作りたい人は、自分では一切書きません。

ちなみに「こんなことを書いてほしい」と、前もって遺言の内容を書いておき、公証人に書き写して遺言書を作ってもらう、という方法は出来ません。

あくまでも、遺言を作りたい人が、その内容を口で言って、公証人に書きとってもらいます。

そして、公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上立ち会いが必要です。

この公正証書遺言は、公証役場で作ります。

公証役場は、全国の都道府県庁の所在地と、それ以外の主要な街にもあります。

公正証書遺言を作る時には、住んでいるところの近くの公証役場でないとダメ、という決まりはありません。

自分の好きなところを選んで作れます。

また、普通は遺言を作りたい人が公証役場へ出かけますが、病気などで、遺言を作りたい人が公証役場に行かれない、という場合には、別途費用がかかりますが、公証人に来てもらうこともできます。

ちなみに、2人以上の証人ですが、誰でもなれるわけではありません。

  • 配偶者
  • 未成年者
  • 推定相続人
  • 成年被後見人
  • 署名できない人
  • 被相続人と深い関係がある人
  • 遺言書の内容が読めない人、または理解できない人

等は、証人にはなれません。

証人を見つけるのが難しい時は、弁護士や司法書士、税理士などが証人になる場合もあります。

また、公証役場に依頼をして、証人を紹介してもらうこともできます。

ただし、その証人には手数料がかかります。

さて、公正証書遺言には、いくつかのメリットがあります。

1つ目、保管がしっかりとしています。

遺言を作っても、自分がいつ亡くなるのか分かりません。

そのため遺言書の保管場所をどこにしようか、と悩む方も多いでしょう。

生きている間に遺言書があること、そして、保管場所を伝えられればいいですが、急に亡くなってしまったら、せっかく作った遺言があることを知らずに、探してもらえない、ということもあり得ます。

さらに「遺言がある」とわかっていても、どこにあるのかが分からず、見つけ出してもらえなかったりする場合もあります。

しかし、公正証書遺言の場合には、原本が公正役場に保存されます。

実は、公正証書遺言は原本と正本、それに謄本の3つが作られます。

全部同じように聞こえますが、それぞれ役割が違います。

原本は公証役場で保管されます。

そして、正本と謄本は、遺言を作った人に渡されます。

正本は遺言を作った人が保管して、謄本は、その他の相続人や証人に渡しておくのがよくあるパターンです。

もし、遺言を作った人が正本を無くしても、自分の印鑑証明と実印、そして、免許証を公証役場に持っていくと、再発行してもらえます。

さらに今では、公正証書遺言を全国の公証役場でコンピューターを使って検索ができます。

ですから、遺言を作った人が急に亡くなった場合でも、遺族は近くの公証役場で、遺言を作ったかどうか、調べることができます。

このように公正証書遺言は、その存在と保管がしっかりと守られていることが大きな利点です。

2つ目は、作った人が知らない間に、遺言書の内容を書き換えられたりする心配がない、という点です。

3つ目は、自分で作った自筆遺言のように、裁判所で検認を受ける必要がないので、亡くなってすぐに開封して、遺言書に従って、遺産を分けることができます。

4つ目は、公正証書遺言は、公証役場で作成しますから、公証人から遺言の書き方などについて、アドバイスをもらえる点です。

そのため、せっかく作った遺言が無効、などということは、まずありません。

そして、証人が立ち会うので、遺言書があるのかないのか、と問題になることもありません。

公正証書遺言は、手間と費用がかかります。

ただ、今まで述べてきたようなメリットがあります。

後々のことを考えると、公正証書遺言の作成をお勧めします。

ただし、公正証書遺言にも弱点があります。

それは、いくらしっかりとした公正証書遺言があっても、その後に自筆遺言書が作られると、日付が新しい方が有効になります。

ですので、公正証書遺言で作成したといっても、絶対に有効な遺言になるとは限らない、ということです。

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