会社の決算月は自由に決められる
相続税や所得税の節税目的で不動産管理会社を設立することに・・。
その際には様々なことを決める必要が出てきます。
その一つに会社の期末(決算月)をいつにするか?ということがあります。
期末とは会社経理の締め日のことです。
(ちなみに個人事業の場合は12月末と決められています。)
意外と知られていませんが、この期末は月末でなくても大丈夫です。
例えば誕生日を期末にすることなども可能です。
ただ、会計処理が複雑になるなどのデメリットもありますので、よほどの事情や好みがない限り、期末は月末にしたほうがいいと言えます。
さて、日本では3月や9月、12月の期末(決算月)の会社が多くあります。
3月が多い理由は、学校での1年間や、国・自治体の予算の期間が4月~3月末日に設定されていることなどがあげられます。
9月が多い理由は、決算処理などの業務を繁忙期に重ねないため、といったことなどがあげられます。
12月が多い理由は、単純に区切りがいいことなどがあげられます。
決算月を決めるポイントは、
- 大企業なのか?
- 中小企業なのか?
- 一人企業(従業員0人)なのか?
- 繁忙期はいつなのか?
など、会社の事情により異なってきます。
6月がいい理由
では、節税目的の不動産管理会社の決算月は何月がいいのか?
これもそれぞれ事情で異なると言えばそれまでですが、特段のこだわりや事情がなければ【6月】をお勧めします。
6月にする理由としては、(個人と法人の)財産を年2回(半年間に1回)点検することになるからです。
節税目的で設立している会社なので、個人と法人が密接に関係しています。
- 法人の決算状態を見て、今後個人ではどうしようか?
- 個人の確定申告の状態を見て、今後法人ではどうしようか?
というようになります。
これが個人の確定申告と同じ12月にした場合、このような検討が年1回になります。
節税目的の不動産管理会社の決算月は6月がお勧めと言えます。
動画で解説
節税目的で設立する不動産管理会社の決算月は何月がよいかについて、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。
字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。
動画内容
ずばり、おすすめは6月になります。
そもそも節税目的で設立する不動産管理会社とは何なのでしょうか。
これは賃貸物件の管理業務を目的とする法人のことです。
個人の不動産オーナーが自身や親族を役員とするケースが一般的となります。
この法人に不動産の管理料を毎月支払うことで、個人オーナーの不動産所得を法人に移し、個人の所得税を節税する目的があります。
もちろん法人税もかかりますが、法人税は税率の上昇が個人の所得税ほど高くはありません。
しかも法人からは役員報酬も受け取れますので、賃貸収入の多い個人オーナーほど節税効果が高くなります。
さて、法人の決算月は設立時に定款で自由に決めることができます。
3月や12月などが多いのですが「6月がおすすめ」というのには理由があります。
それは個人の決算と合わせると、ちょうど半年ごとに個人と法人の財産を点検できるからです。
不動産管理会社は節税目的で設立している会社なので、個人の所得と法人の所得が密接に関係しています。
6月の決算で法人の状態を見て、今後個人ではどうしようか?と考えたり、反対に12月の個人の確定申告の状態を見て、今後法人ではどうしようか?と考えることができるというわけです。
もし、個人の確定申告と同じ12月にした場合は、このような検討が年1回になります。
もっと節税をすればよかった、という収入と経費のズレを半年ごとに調整できる場合と、1年に1回しか調整できない場合とでは、どちらが節税に有効でしょうか。
当然、半年に一回見直す機会を強制的に作るほうが、より効果的な節税ができます。
ですので、節税目的の不動産管理会社の決算月は6月をおすすめしています。