生命保険信託は「遺族の生活を守る」一つの方法

相続対策というと、一般的に税金の対策を思い浮かべるかもしれません。

ただ、税金だけでなく「遺族の生活を守る」という視点も重要です。

そして、生命保険信託は「遺族の生活を守る」という観点からもメリットがあります。

家族を守る
家族を守る
生命保険信託も一つの方法

今回は、そんな生命保険信託について、解説しています。

生命保険信託はその名通り生命保険と信託を組み合わせたもの

従来の生命保険に信託の仕組みを組み合わせた、生命保険信託と呼ばれる商事信託の商品が最近増えています。

生命保険信託
生命保険信託
生命保険に信託の仕組みを組み合わせたもの

これは生命保険で相続税対策を出来る利点と、信託という使い勝手の良さを取り入れたものと言えます。

信託についての詳しい内容は、そもそも信託って何?に記載しています。

生命保険信託と普通の生命保険の違い

生命保険は被保険者が死亡した場合に、受取人に死亡保険金が支払われます。

生命保険信託も、これはもちろん変わりません。

ただ、普通の生命保険と違うのは、この死亡保険金の管理を信託銀行や信託会社が行う点です。

これは受取人の「死亡保険金の無駄使い」を防ぐ場合などに有効です。

無駄使い
無駄使い
生命保険信託は死亡保険金の無駄使いを防ぐ場合などに有効

保険契約者が信託銀行などに、死亡保険金請求権を信託することにより、死亡保険金が受託者である信託銀行に支払われ、そこから保険金の受取人に支払われます。

この場合、

  1. 委託者:被保険者(被相続人)
  2. 受託者:信託銀行等
  3. 受益者:保険金の受取人(相続人)

といった形になります。

そして、受託者から受益者に、毎年100万円ずつ支払うなどの信託契約を結べば、相続人が一気にお金が受け取ることはなくなります。

信託会社等は信託契約に従って、保険金を支払うことになるからです。

生命保険信託と同じようなことは家族信託でも出来る

生命保険信託を活用して、毎年少しずつ保険金を分配することにより、無駄使いを防ぐことが可能と記載しました。

さらには、死亡保険金の受取人は子供だが、その支払いには残された配偶者の了承が必要と信託契約を結べば、配偶者が必要と判断した時だけに、保険金を子供に支払うことなども可能です。

このように信託契約の設計しだいで、従来の生命保険(一括で支払い)では、到底考えられなかったような「自由な財産管理が可能」となります。

財産管理
財産管理
従来の生命保険では考えられなかったような財産管理が可能

この生命保険信託は、死亡保険金請求権を「信託会社」や「信託銀行」に管理方法を指定し、信託契約を結びます。

そして、この生命保険信託は、一部の生命保険会社が信託銀行等と提携して販売されています。

では、生命保険信託を利用するためには、売られている商品から選択しないと無理なのか?

実は生命保険信託と同じようなことは【家族信託でも可能】です。

仕組みは単純で、普通の生命保険の死亡保険金請求権を、個人(家族)に信託すればいいだけです。

法律的には何の問題もありません。

ただし、受託者の悪用のリスクなどから、その加入している生命保険会社が、死亡保険金請求権の家族信託を認めない・もしくは何かしらの制限をかける可能性もあります。

生命保険信託と同じようなことを家族信託でもしたい場合には、既に加入している(もしくは加入しようとしている)生命保険会社に確認しましょう。

生命保険信託のメリットを動画で解説

生命保険信託のメリットについて、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・田中順子が解説しています。

字幕が付いておりますので、音を出さなくてもご視聴出来ます。

生命保険信託のメリット

動画内容

今回は生命保険信託で、相続税対策と保険金の受取人の無駄使いを防ぐ、という内容をお話し致します。

生命保険信託とは、生命保険に信託というシステムを組み合わせたものです。

生命保険は、相続対策において、とても有効な方法ですが、これに信託を組み合わせると、支払われた死亡保険金の用途や、支払い方法まで生前に指定することができます。

相続対策というと、一般的には税金の対策を思い浮かべるかもしれませんが、生命保険信託は、亡くなられた後の家族の生活を守る一つの方法でもあります。

まずは、信託についてお話を致します。

信託というと、難しく聞こえるかも知れませんが、簡単にいうと、信頼している人に財産を託し、管理してもらう方法のことです。

財産を託す相手は、この場合、信託銀行などになります。

たとえば、幼い孫に財産を残したい祖父がいるとします。

お孫さんにはまだ、自分でお金を管理できるほどの能力はありません。

しかしながら、息子夫婦に相続させると、本当にお孫さんのために使ってくれるのかなどの不安があり、信頼できる銀行に孫のための財産を管理してもらいたい、と考えたとします。

その場合、祖父は、生前に信託契約を結び、たとえば「孫が学費などで必要になったときに、必要な資金を給付すること」など、銀行にお願いをすることができます。

委託を受けた信託銀行は、指定された条件に応じて財産を支払います。

これが信託の仕組みです。

相続対策で信託を使うメリットとしては、自身が亡くなった後に、どのように受取人にお金を支払うかを指定しておけることにあります。

つまり、亡くなった後も財産を管理することができる、というわけです。

この方法を使えば、たとえば受取人が亡くなったあと、余ったお金を次の相続人に指定することも可能です。

おそらく、多くのご家庭で、活用するメリットがあると思います。

さて、今回のテーマでもある、生命保険信託の話に戻ります。

生命保険信託とは、信託と生命保険と組み合わせたもので、保険会社と信託銀行などが提携して販売する保険商品です。

生命保険信託では、受取人に支払われる死亡保険金の額を、信託銀行に管理してもらうことができる保険契約になります。

「浪費しやすい子だから、後先考えずに使ってしまうのではないか」という不安があっても、生命保険信託であれば「子どもの口座に、毎年100万円ずつ振り込む」という信託契約を結んでおくことで、お子さんが一気に死亡保険金を使い込んでしまい、後に苦労する状況から守ってあげることができます。

信託には、生命保険信託だけではなく「家族信託」という方法もあります。

家族信託とは、財産の管理が難しい親族の財産を、信頼できる親族を選んで管理してもらえる方法です。

今回お話したケースは、家族信託でも解決することができます。

財産を相続させたい相手はいるけれど、全額与えるのは不安という方は家族信託、あるいは、生命保険信託を活用した方法を専門家にご相談ください。

そして、家族信託や相続に関することなら、税理士法人・都心綜合会計事務所にお任せください。

相続のワンストップサービスを提供しております。